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このページではツイッターで募集した、web小説の無料感想を載せていきます。
魅力的な作品ばかりですので、気になった作品はぜひご一読下さい!
『こちら夢窮学園高校エージェント部!』ルミナリエ
“ネビュラ”と呼ばれる異能力者が現れた現代日本が舞台。
秘密組織“SCHOOL”に所属する少女たちが世界平和のために奮闘する異能アクションものです。
異能を有した魅力的な少女が多数登場。
軽快に読み進めることのできる作品です!
>>『こちら夢窮学園高校エージェント部!』(小説家になろう)
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【総評】
とても楽しく拝読させて頂きました!
分かりやすい文章に加え、テンポの良い展開でスラスラ読み進められるのが魅力と思います。
多数のキャラを登場させているにも関わらず、それぞれに特徴を持たせているのも素晴らしいです。
また、各種設定も良く考えられているのが窺えて感心してしまいました。
一方で、展開の早さや、描写の傾向によって感情移入しにくい面もあると思います。
以下に、個人的に感じた「良い点」および「イマイチな点」を挙げますので、今後の執筆の参考にして頂ければ幸いです^^
【良い点】
- 視覚的な描写や、設定づくりがとても丁寧。
- 刀&銃というレイラの戦闘スタイルが個人的に凄く好み。能力とも合っている。
- キャラ同士の掛け合いが魅力的。
- 多数のキャラが登場するが、性格や境遇、能力などで特徴を持たせられている。
- 先に結末を示唆するなど、構成上の工夫もある。
- 戦闘アクションではピンチを演出するよう心掛けられている。
- テンポ良く、ストレス無く読み進められる。
【気になった点】
- キャラを一気に登場させすぎな面もある。認識しきれない読者が出てくるかも。モブのキャラは名無しにするなどしても良い。
- 少女たちに通り名があるのは格好良いと思ったが、人数が増えていくにつれ、キャラと通り名が一致しにくくなる。戦闘シーンでは「名前+ルビで通り名」の方が親切かもしれない。
- ストーリーやキャラの動機等について、納得はできるが、感情移入しにくい。心情描写がかなり少ないので、もっと増やすと良いと思う。(ただし、持ち味であるテンポの良さは残して欲しい)
- 戦闘におけるピンチの演出は素晴らしい。しかし、その解決策が安易かもしれない。もっと主人公たちの努力や機転を描き、ドラマを演出できると更に良くなる。
- 設定を一気に語るシーンが多数ある。賛否は分かれると思うが、個人的にはストーリーの中で小出しにするなど出来ると、もっと読みやすくなると思う。
- キャラ毎にストーリーをつくり、章で区切って完結させていく手法は成功だと思う。欲を言えば、作品を通した大きな指標がもう一つあると更に良い。
以上になります。
ルミナリエさん自身が、とても楽しんで書いていらっしゃるのが伝わってくる素敵な作品です。今後も執筆、頑張って下さい。応援しています^^
『海賊に殺された結果、異世界転生した現代船乗りだけど、色々あって海軍に入隊します! 〜知恵と経験を武器に、海賊だらけの海を生き抜いていく~』GTH
海運会社に勤めていた青年が不運にも海賊に殺され、転生した先は”大航海時代の異世界”でした。
多少のファンタジー要素はありますが、どちらかといえばリアル路線寄り。
海軍や海賊が日々戦いを繰り広げています。
とりわけ面白いのが、青年が転生したのが女性だったという点です。
心は男性のままで異世界で女性として生きる宿命を負った主人公がどんな物語を繰り広げるのか。
個性溢れる転生ものです。
先の読めない展開をぜひお楽しみ下さい!
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【総評】
作品紹介を読んだ時点で面白そうだと思いました。
読み進めてみても、女性に転生した主人公がどう生きていくのか読めず、わくわくしながら楽しむことができました^^
主人公が悲観的になるシーンが少なく、シリアスなシーンでも良い意味で気軽に読むことができるのが素敵です。
特に、各話毎に読者を飽きさせないような気配りがされていて感心してしまいました。R15指定のシーンもその一つだと思いますが、読者のことを考える姿勢は僕も見習いたいと思います。
【良い点】
- 設定が面白い。大航海時代という世界観も惹かれるし、何より性別を変えて転生という設定を上手く描けている。
- 読者がテンポ良く読めるような文体になっている。
- 訓練や戦闘での描写や、戦略的なことも意識されている。
- 多数のキャラが登場し、後から再度魅力が増してくるような書き方がされている。
- 適度に場面転換し、読者を飽きさせない。
【気になった点】
- 軽い読み味が魅力だが、シリアスなシーンはもう少しだけ丁寧に書いた方が良さげ。読者を感動させたい所とそうでない所を書き分けられられると、ますます魅力が増すと思う。
- 世界観や設定にリアリティを出そうとしているのが素晴らしい。その一方で、展開が早すぎたり無理矢理感のあるシーンもちらほらある。(新しく乗った海軍の船がいきなり白旗を上げるなどです)
- もっと冒頭から長く活躍するキャラを出した方が読者は読みやすいかも。”訓練学校編”は単体としては魅力的だが、ジャックのようなポジションで、トーマスのようなキャラが登場していたらなお良いと感じた。
以上になります。
作品紹介の時点で面白そうと思えるのが凄いですし、読者サービス満載の内容にも感嘆しました。
何よりこれだけの文量を、見事書き切ったという点も同じ小説書きとして尊敬します。
今後とも応援しています! お互い頑張りましょう^^
『和国戦記譚~死ねない男と夢見がちな歌姫~』熊谷悠
架空の日清戦争を描いた歴史物。
歴史的な背景を題材にしつつ、「歌魔法」といったファンタジー要素もあり独自の世界観を築いています。
不死者の主人公と、歌魔法を使う少女の出会いから物語はスタート。
なかなか反りの合わない二人ですが、主人公は自らの望みを叶えてもらうため、少女は任務のために行動を共にすることになりました。
テーマ性のあるシリアスな要素が魅力で、その上でコミカルなシーンも多くて先が読みたくなる作品です!
>>『和国戦記譚~死ねない男と夢見がちな歌姫~』(小説家になろう)
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【総評】
架空歴史物ということで少々身構えて読み始めたのですが、良い意味で裏切られました。
歴史的な背景が物語に重厚感を生み、それでいてキャラ同士のやり取りは軽快で読みやすかったです。
個人的に感心したのは「不死者の主人公。死ぬを良しとする敵勢力」という構造です。
テーマ性があって引き込まれるし、この先どういった戦いが繰り広げられるかが気になりました。
また戦闘シーンも巧く、不死や歌魔法といった異能を上手く使いつつ描いているのが印象的です。
まだまだこれからの作品ですが、とても先が気になる作品です!
【良い点】
- 歴史ものの固さを残しつつ、その上で読みやすさを意識した文体。
- キャラを適度にしぼって登場させていて、個性も出ている。
- 「不死者vs死を望む集団」という構図に興味を惹かれる。
- 主人公の「不死者の一面」を描くために歴史を語らせたりと、細かな工夫があって素晴らしい。
- 不死者の主人公が、老練とした知的さを見せたと思えば、次の瞬間には享楽染みた行動をしていたりと、長寿ゆえの計り知れなさが描けている。
- ヒロインとなる少女の振り切った元気さが魅力。主人公と並べると映える。
【気になった点】
- 序盤からけっこう設定を語っているので、もう少しキャラから見せていったほうが読者は引き込まれるかも。(特にネット小説では意識した方がいいかもです)
段々と引き込まれていくつくりですが、読者が序盤で離れてしまうと勿体ない。
- 戦闘シーンが凄く魅力的でしたが、戦い手の心理描写をもう少しだけ加えるとなお面白いかも。
特に不死者の戦闘では、身体を蔑ろにして戦うことへの心情など個性を出しやすいはず。
- まだこれからだと思いますが、主人公・左近の願望が序盤でもっと見えると良い。
「不死の身体で生きることをどう感じているか?」「死にたいと思っている心情」などを書けると、今後の物語にもますます深みが生まれそう。
以上になります。
独特な世界観と、個性的なキャラづくりが魅力的な作品だと感じました。
無理のない範囲で、今後も楽しみながら執筆して頂ければ幸いです^^
『友達としかみられない』ルン
人死にだけがミステリーではありません。
本作は「日常の謎」を描いた”青春ミステリー”と呼ぶに相応しい作品です。
他人から見れば些細かもしれない悩みも、本人にとっては重く大切なもの。
主人公・渡貫詳は大学で「お悩み相談サークル」に所属。
「そんなの、私納得できない」
後輩の角川貴理の口癖に振り回されるように、しぶしぶといった様子ながら謎を解いていきます。
しかしそんな詳にも解決できない、自ら抱えた過去もあるようで…?
日常のミステリーは読みごたえ抜群!
でもそれだけではありません。
- 貴理との軽快な掛け合いから見られる関係性と、その変化。
- 知識欲を満たす心理学や哲学といった類いの情報量。
- 徐々に明らかになっていく詳の過去…。
謎だけに偏らない、バランス感覚に優れた一作。
ぜひご一読下さい!
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【総評】
読みごたえのあるミステリーでした!
それでいて、読み味が軽いのも最高。
ミステリーで重要な情報の提示にも配慮されているのが分かります。
何より、謎だけにこだわらずストーリー性も重視されているのが良いですね!
詳と貴理のキャラクターも素敵ですし、この二人が一緒にいると魅力が倍増します。
徐々に明かされていく詳の過去。その事実。そしてラストでのカタルシス…。
ルンさんの力量を感じながら、何より楽しみながら読ませていただきました。
本当に大切に書かれたことが窺える作品。
とても面白かったです!
【良い点】
- 人死にの出ない「日常の謎」。論理的な面ももちろんですが、心理面での解説が良かったです。
- まずは手軽な謎解き。方向性を示してから本命の謎へ、という流れが自然かつ分かりやすくて尊敬。
- 謎解きだけに頼らないキャラクターの魅力が素晴らしい。詳と貴理のやり取りが良いですね! この二人の未来を読みたくなります…!
- ルンさんの博識が窺える細かな描写…。個人的に知識欲を満たしてくれる作品は好きなので、心理学や哲学といった傾向の表現がすごく良かったです。
【個人的に思った改善点】
- 貴理の「そんなの、私納得できない」は印象的なセリフであり、彼女の性格や過去を示唆するものでもあると思います。真相やエピローグで、この口癖を活かした表現やギミックがもっとあると良いかなと感じました。
- 最重要であろう、詳が気付きを得て自分がなりたかったものを獲得するシーン。演出面では最高でしたが、詳の印象が名探偵、人の心理を読む、推理好きといった感じだったので、”将来像”とあまり結びつきませんでした。詳が得た”なりたかったもの”と結びつくような伏線や情報をもっと意図して増やせると、あの素敵なシーンが更に映えると思います。
- 貴理の目的や真意に関する伏線ももう少しあると、より説得力が増すと思います。現状も配慮はされていると思いますが、詳とのやり取りや会話等でもっと示唆しておくと更に凄みのある作品になりそうです。
謎解きと青春のバランス感覚が素晴らしい…。
詳と貴理には今後もコンビで「お悩み相談サークル」を続けて欲しいですね…!
純粋に楽しめる作品で続きを読みたくなりました。
『屑な僕は神様とお嬢様に二股をかける』時雨餅
「現実はいつだって救い難い」
口癖のように何度もそう呟く少年・逢坂渚が主人公。
”非現実”を求める渚はある日、二人の少女に二股をかけます。
一人は現実主義のお嬢様・梓。
もう一人は狐耳の土地神さま・秋。
個性的かつ人気者の少女二人を相手取ることになる渚は、望んだ通りの”非現実”へとひた進んでいくことになり…?
- 主人公の屑っぷりもここまで来ると清々しい?
- …と、思いきや熱い面もあったりして。
- 良い意味で”軽く読める”文体も魅力。
- 台詞回しも個性的でラブコメ要素満載。
一見では掴みにくい性格の主人公・渚がどんな思考をしていくのか。
そして最後にどんな選択をするのか。
ぜひ最後まで読んでみて下さい!
>>『屑な僕は神様とお嬢様に二股をかける』(小説家になろう)
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【総評】
とてもキャッチーな設定のお話で、序盤から期待を裏切らない展開でした!
ともすると掴み所のない渚ですが、彼なりの美学があるのだと読み進めるほどに分かっていく、不思議な作品です。
文体も軽快で、何よりコメディ要素満載の台詞回しが魅力的で、読んでいて楽しかったです。
そして、あえて淡泊に描くことで、読者に考えさせる余地を残している点も秀逸だと思います。
作者様の個性が光る素晴らしい作品でした!
【良い点】
- 軽快な文体。短い文章を意識していて読みやすかったです。語りすぎないことで、キャラの個性を上手く引き出していると思いました。
- ”非現実”を求めるという渚のスタンスを徹底していて、渚がどんな思考や選択をしていくのか常に気になります。渚以外のキャラも魅力的でキャラづくりが上手い作者さまと感じます。
- ストーリーも考えられており、適度に謎が明かされていくので、これも読み進めていくのが楽しみになりました。
【個人的に思った改善点】
- 軽快な文体が魅力の作品ですが、もう少し緩急も意識できるとより素晴らしくなるのではないでしょうか。今の文体は個性的で、基本そのままでいくべきですが、重要なシーンではもっと読者を熱くさせるような描写もできると良さそうです。
- 視点切り替えを多用していて、それはそれで色んなキャラの魅力が引き出されていますが、個人的な意見としてはもっと渚の視点だけにフォーカスして描いた方が面白いのではと感じました。渚視点での梓や秋たちをもっと書き、渚の不思議な魅力を伝える方向でも良さそうです。(コレに関しては個人の好みですけど…。参考程度にお願いします)
個性が光る面白くも考えさせられる作品でした。
ラノベ好きの方にはぜひ読んで頂きたい作品です!
いかがだったでしょうか?
どの作品も作者さまの想いが詰まっていますので、もし気になったものがあれば、ぜひご一読下さい!
それでは皆さま、ここまで読んで頂き誠にありがとうございました!
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