[名言・名文]『医龍』から。命を救うことへの覚悟

今回は漫画『医龍』から名言のご紹介です。

漫画『医龍』の紹介

『医龍』は全25巻から成る医療漫画です。

主人公となるのは、天才的な手術の腕を持つ外科医「朝田龍太郎」。
NGOで活躍した朝田は帰国後、とある理由から医療の世界から遠ざかっていました。
ある日、朝田のもとを訪れたのは大学病院の助教授であるという「加藤晶」という女性。
彼女は超難関手術「バチスタ」を切らせるために、朝田を大学病院に招きたいと口にします。

自分はもう医者じゃないという理由から最初は渋っていた朝田ですが、その場に居合わせたかつてのチームメンバー「里原ミキ」が”肺気胸”という肺に穴が空く症状に倒れたことがきっかけで考えを改めることになります。
以前から自覚症状を持っていたミキは、それでも朝田以外の医者には診せないと頑なでした。

そんなミキの救命措置を行った朝田は、自分が未だに医者であったことに気付かされます。
そして「バチスタ」という難関手術への好奇心もあり、加藤の誘いに乗って大学病院で再度医者として腕を振るう決意をしたのです。

この漫画の面白いところは、日本の大学病院の現実をこれでもかというほど描いていることです。
助かる見込みのない患者には形だけの手術を行う。そもそも助からないであろう急患は受け入れない。
医者の権力が第一となっている大学病院は、もはや患者のための場所ではありませんでした。

そんな大学病院に飛び込んだ朝田はとんでもない異分子です。
何においても患者第一主義。どこまでも患者の命だけを追い続けます。
腐敗しきった医療現場で疾風乱舞の活躍を見せる朝田の姿は痛快そのものです。
しかしそれだけでなく、様々な人物の掘り下げによるヒューマンドラマもこの漫画の魅力です。

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本日の名言

さて、今回ご紹介する名言はそんな『医龍』の1巻から朝田龍太郎の発言です。
先ほど述べたように朝田は患者第一主義。誰よりも命の尊さを知る男です。
一見するとそんな人物のものとは思えない発言が、とても深い名言なのです。

——医者は人を生かすための存在。
だが外科医は、
死なせた患者の数だけ成長する。
それも、逃れられない現実だ。

           朝田龍太郎

(漫画『医龍』1巻より)

理想と現実

命に最も近い場所にある職業のひとつが医者であることには、みなさん異存ないと思います。

もちろん私は医者ではありませんので、医療に携わる方々が日々どんな想いで働いていらっしゃるかは想像する以外に知る術がないのですが、多くの方が人の命を救いたいと思いながら患者と向き合っていることと思います。

しかし中には、そんな気持ちは最初だけで、今はそういう想いにフタをしてしまっているという方もいるかもしれません。

いくら万全を尽くしたとしても、いつか人は死にます。
その場所に居合わせたり、ましてや自分の腕の中で人が死んでいくことなど、言葉では表現しきれないほどの恐怖や虚しさだと思います。

朝田の発言には、どこまでも命と向き合うことへの覚悟が込められています。

すべての患者の命を救うのが理想です。

しかし、そのためには果てしない技術が必要であり、極めていくためにはひたすら”切る”しかありません。
その途上で死なせてしまう患者がいたとしても、その経験を次の命を救うために生かす。

延々と続くこの道を、理想を掲げながらも現実と向き合って突き進んでやろうという覚悟は痛く胸を震わせます。

「朝田龍太郎」の言葉だからこそ重い

この名言は朝田が口にするからこそ重みがあります。

仮に患者と向き合っていない医者がこれを口にしたら、それはただの逃げ口実や綺麗事でしかありません。

朝田がこんな発言をすることの真意は「目の前の患者より、未来の患者を見ている」ことではありません。
その真意は「過去に死なせた患者を忘れずに、今、目の前にいる患者と向き合っている」という想いにあるのではないでしょうか?
それが想像に難くないからこそ、聞いた者は感動するのです。

言葉には重みがあります。
しかしそれは、どんな人物が口にするかにも大きく左右されます。

私たちも、自分の発言を、重みのある言葉と思ってもらえるような人物になりたいですね。

おわりに

というわけで本日は『医龍』からの名言でした。

私は漫画をよく読むのですが、その中でも特に大好きな漫画が3つあります。『医龍』はそのひとつで、とても思い入れのある漫画です。
小説家志望の身としてそのストーリーや心理描写などに驚嘆するのはもちろんですが、やはりこの漫画の生きることへの熱量は私に大きな衝撃をいつも与えてくれます。

今後も『医龍』の名言をご紹介させていただくことがあると思います。また、他の漫画や小説の名文・名言ももっと考察していこうと考えておりますので、その際はまた読んでいただけると嬉しいです。

それではここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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