三題噺「6日目」のお題は「夏・足・建具(戸)」

みんなで「三題噺」の企画。
本日は第6回となります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

【初心者歓迎!】小説を書く練習として「三題噺」を書いてみませんか?

2019.04.13

それではさっそく。
今回のお題は以下の3つ。
(出題には『どこまでも、まよいみち』というサイト様の『三題噺スイッチ改訂版』を使用させていただきました)

「夏」「足」「建具・戸」となりました。

スポンサーリンク

お題「夏」「足」「建具・戸」

季節の到来を足音で表現することがあるけれど、あれは果たして何をどうやって、どうゆうつもりで擬人化しているのだろうか?

春の足音。

夏の足音。

秋の足音。

冬の足音。

それぞれの季節がこちらに向かって歩いてきているのか、はたまた四季という概念がそれぞれの季節に向かって歩いて行くのか。

そもそも音というからには、人体の鼓膜を揺する周波数的な何かを発しているべきだろう。春の桜が舞う音、夏の蝉の声、秋の落ち葉を踏む音、冬の雪降る中の無音。なんとなく思いつくままに挙げ出してみると、音を発しているのはどれも季節じゃない。あたりまえだ。季節なんて概念でしかないのだから。

腰掛けた縁側。両手を後ろについて空を見あげてみた。季節は夏になりつつある現在。屋根の端が見えて、その向こう側にゆったりと落ちてきそうな巨大な入道雲がある。ああ、これも夏っぽいな。音ではないけれど。いや、そもそも足音なんてものは比喩表現であって、季節がこちらに歩いてくることを単に言ってみたかっただけなのかもしれない。だとしたら、ぼくのこんな思考は無意味なのかも知れない。意味のないことは嫌いでないけれど、虚しくならないわけではない。

妙に夏っぽい風景を目にしたせいで、思考の渦は四季の足音から、夏限定のそれっぽさに移ろいつつある。

「夏の足音ってどんなだろう……」

会者定離にして原点回帰。意味なんてないことに意味はある。

久々に、ぼぉとした時間が訪れた。

背後から足音が聞こえた。比喩ではない。人の足音だ。

ギィ、ギィという古びた板床を踏む音。忍ばせる気などない遠慮のない足音。親戚を一堂に会すこの時期、大部屋のふすまはすべて取っ払ってある。今はまだほとんど集合していないから、誰かが移動すると結構つつぬけだったりする。

「あぁ、これも“夏の足音”か」

妙に納得できるものがある。一年を通しておおよそこの時期にしか会わないいとこ。何の因果か、ぼくと一二を争うように毎年まっさきにこの本家にやってくる同い年の女の子。

「ほんと、なんの因果かな」

「なーに、一人でしゃべってるの」

頭上から快活な声が降ってきた。先ほどと同じように顔を上げると、触れ合いそうな位置に彼女の端正な顔があった。

「近い。暑い」

「うっさい。夏は暑いものなの」

お互いに大して驚きもせず、彼女はすとんとぼくのとなりに腰掛けた。

「また何か無益なこと考えてた?」

「うん。そんなとこ」

「去年が人類の祖先は宇宙から降ってきた説で、一昨年がどうして時計は前にしか進まないかについて、だっけ。今年は何よ?」

興味津々といった様子で彼女がのぞき込んでくる。そんな彼女の解答が気になってぼくは尋ねる。

「夏の足音って何だと思う?」

「あら意外と常識的。つまらなくはないけど、拍子抜けだわ」

「それはどうも。で、お答えは?」

「そんなもの聞こえないわよ。夏に足音があるはずないじゃない」

「……」

本末転倒。それゆえに単純明快。

「私が、夏が来たなーって思ったら、それは夏が来たってことよ」

加えて傍若無人だった。

ちなみに去年と一昨年の回答は、「宇宙人の子孫だったところで私は私」という答えにすらなっていないものと、「時計が前に進むのは私が前に進むから」という男前なものだった。

「そっか。おもしろい」

「でしょ?」

ぼくが言うと、彼女はニッと夏の太陽のように笑った。

【完・33分で1361文字】

感想

当初設定した「制限時間20分」はもはや完全無視です(笑)
そのうちルールを変える予定でいます。

今回は西尾維新先生の文体(特に戯言シリーズ)を意識しています。
が、劣化品と呼ぶにもにしてもお粗末ですね・・・。

戯言シリーズは主人公の一人称を最大限生かした作品と思います。
独特な感性による視点、深い(というか無体?)な思考、そして豊富すぎる言葉遊びが魅力なわけですが、これを模倣するのはやはり難しい。

1ミリでも長所を取り込めたらと思った次第です。
思いつくままに書いているので、執筆速度はわりと速かったですね。(33分で1361文字)

語彙力や感性、思考力をもっともっと高めたいと思わされました。

みなさんもぜひ書いてみてください。
ストリートして破綻していても、文法ガン無視でも歓迎です!

スポンサーリンク
スポンサーリンク



《作品のブラッシュアップ!!》
あなたの小説に感想&アドバイスお届けします

日々小説に打ち込んでいる僕が、あなたの小説をより良くするお手伝いをします。特に新人賞狙いの方にオススメです!




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
の項目は必須項目となります。