三題噺「9日目」のお題は「鳥・隠れる・紙袋」

みんなで「三題噺」の企画。
本日は第9回となります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

【初心者歓迎!】小説を書く練習として「三題噺」を書いてみませんか?

2019.04.13

それではさっそく。
今回のお題は以下の3つ。
(出題には『どこまでも、まよいみち』というサイト様の『三題噺スイッチ改訂版』を使用させていただきました)

「鳥」「隠れる」「紙袋」というお題です。

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お題「鳥」「隠れる」「紙袋」

とある森に三兄弟の小鳥が住んでいました。

三羽は自然の力を身体に蓄えていて、氷と風と火をそれぞれ扱うことができます。いつもいっしょの兄弟は助け合いながら生きていました。

じりじりと暑い日には、氷の小鳥が冷気を生んで兄弟をお日様から守ります。

誰かがお腹を減らせば、風の小鳥が突風を呼んで、おいしい木の実がなっている木まで、みんなでひとっ飛びです。

でも、火の小鳥だけは、まだ自分の力をうまく使うことが出来ません。というのも、三羽がまだ雛鳥だったころ、火の小鳥は誤って風の小鳥に火傷を負わせてしまったことがあったのです。幼心に傷ついた火の小鳥は、それからずっと力を使うのを恐れています。

二羽の兄弟たちは、そんな火の小鳥をずっと見守っていました。

そんなある日、兄弟は森の中で隠れんぼをしていました。

鬼になったのは火の小鳥でした。

さわさわと木漏れ日が揺れる木の枝を、ぴょんぴょんと伝いながら火の小鳥は兄弟を探します。

最初に見つけたのは氷の小鳥でした。

意外とここなら見つからないと思ったのか、巣の中に隠れていた氷の小鳥を見つけ、火の小鳥はチチチと嬉しげに鳴きました。

チュチュ、と氷の小鳥は悔しげです。

それから、火の小鳥は風の小鳥を探しました。氷の小鳥も、その後を着いていきます。

でも、どれだけ探しても風の小鳥はいっこうに見つかりません。

木々の枝を登ったり降りたり。ときには地面に降りて探したりもします。

そうやってようやく、火の小鳥は風の小鳥を見つけました。いえ、正確には風の小鳥が隠れているであろう場所を見つけました。

この辺りで一番大きな木。そのてっぺんに近い枝の上に、ひとつの紙袋が引っかかっていました。ちょうど、兄弟達が入ることのできる大きさの紙袋です。

それが、不自然にもぞもぞと動いたのを見て、火の小鳥は確信します。どうやらあの中に風の小鳥は隠れているようです。

少し驚かしてやろうと、氷の小鳥と一緒に紙袋に近づいていく火の小鳥。

しかしそのとき、思いがけないことが起きました。

兄弟が近づいてくる気配を感じたのか、風の小鳥が紙袋の中で動いてしまいました。せまい枝の上を、紙袋はゆったりと滑り、なんとそのまま地面に向かって落ちていってしまいます。

火の小鳥と氷の小鳥は、すぐさま枝の上から飛び出し、ほとんど羽ばたきもせず、まっすぐに落ちていく紙袋を追いました。

紙袋の中はきっと真っ暗で、風の小鳥は何が起きているかわからないでいるはずです。

氷の小鳥が追いつきました。小さなくちばしで必死に紙袋をくわえようとしますが、端が破れてしまって上手くいきません。

どんどん地面が迫ってきます。

氷の小鳥は決してあきらめず、逃げようともしませんでした。

火の小鳥が追いつきました。こちらも自分だけ逃げ出そうという考えはありません。

氷の小鳥が為すすべなくいるのを見て、火の小鳥は自分の力を使うしかないと思いました。

火を生もうとして、身体が震えました。でもその恐れを振り払って、紙袋のまわりに小さな火を起こすことに成功しました。

少し加減を間違えれば、風の小鳥ごと燃やしてしまいます。火の小鳥はただただ必死です。

地面が間近になり、いっしょに落ちていた氷の小鳥がもう駄目だと思ったとき、ついに紙袋が燃え尽きます。

中から飛び出した風の小鳥は、一瞬びっくりしたようでしたが、すぐさま風を呼んで自分と兄弟を抱き上げました。

風に誘われて空に逃げた三羽は、互いの顔を見やって、チチッと鳴くとそのまま巣に帰っていきました。

 

それからも三羽の兄弟は仲良く幸せに暮らしました。

暑い日には氷の小鳥が冷気を生み出します。

遠くへ飛ぶときには風の小鳥が力を貸します。

そして寒い日には、三羽は身体を寄せ合い、火の小鳥がみんなを温めるのでした。

 

【完・63分で1532文字】

あとがき

童話チックに書こうとした結果ですが、とにかく言葉選びが難しかったです。
普段通りに書いていると硬い文になるので、頭で自然に浮かんだ文を分解して、書き直すという工程をいちいち行いながら書いた次第です。

読み返していて分かったのですが、僕はどうやらオノマトペを使えばそれっぽくなると思っていたようです。
浅はかですね。
そもそも、「じりじり」とか「さわさわ」とかありきたりなものしか使えていませんし、使い方も今ひとつ。
「かぷかぷ」笑ったクラムボンを見習いたい所です。

思いついたようにやまなしの朗読を聴いてみたところ、感性と表現力の歴然な差に絶望しました。
まあ、宮沢賢治と自分を比べるのもおこがましいと言えばおこがましいですが、盗めるところは盗んでいきたいですね。

「やまなし」。小学校の国語の授業以来でしたが、改めて触れると読み取り方が変わっていいものです。

ということで、今回は童話チックな三題噺に挑戦しました。

みなさんのご参加もお待ちしています!
書いてみたという方は、ぜひ下のコメント欄に投稿してみてください。

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