【歌詞の意味】BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』はなぜ泣ける?

[voice icon=”https://izenkei.com/wp-content/uploads/2019/01/fd261bfb4bc7e62020d86679888512ec-20190111224533.png” name=”葛史エン” type=”l”]今回はBUMP OF CHICKENの『宝石になった日』の歌詞の意味を考えてみようと思います。
この曲は「宝石」の名を冠していて、曲調も華やかな印象です。なのに聴いていると、どこか寂しげで泣けてくるんですよね。そのあたりを探ることができたらと思います。[/voice]

『宝石になった日』に限らず、バンプの曲って聴けば聴くほど自分だけの曲になってくれると思います。
ですので、こうやって聴いたらもっと深くこの曲を大好きになれるのではないかという点にしぼって、僕なりの案内図のようなイメージで歌詞の意味を考えていこうと思います。

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『宝石になった日』の歌詞の意味を捉えるために重要な2つのこと

『宝石になった日』は2つのことを念頭に置きつつ聴くと、より深みが増すと思います。

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  1. 立ち位置と、3段階の時系列。
  2. 「宝石になった日」とはいつのことか?
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①『宝石になった日』の立ち位置&3つの時系列

歌い手、あるいは聴き手の立ち位置は大切な何かとお別れした直後と思います。
”何か”に入るのは、”大切だった人”がしっくりきますが、”諦めざるを得なかった夢”でも当てはまります。
とにかく、自分にとって大切だったけど、今は離れていってしまったものです。

そのお別れした場所から、『宝石になった日』は歌われます。

夕立が屋根を叩いた唄 窓の外で世界を洗った
掌にはなんにもない ただなんとなく眺めて何分

BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』(作詞・作曲:Motoo Fujiwara)

歌い出しは自分が部屋の中に閉じこもって停滞している場面ではないでしょうか?

<夕立=現実や時間の流れを現してる>
家の中にいれば濡れることはありませんが、外の世界ではちゃんと時間が流れています。
それは屋根を叩く”唄”となって、家の中で停滞している自分に嫌でも聞こえてしまいます。
でも、夕立は一時だけ激しく降るもので、そう遠くないうちに止んでしまいます。

<なにもない掌>
何もないを自覚するには側(がわ)となる入れ物が必要です。
そこらの空気を目にして「なにもない」とは普通思いませんよね。
もともと何かあったから、今は「なにもない」と思うはずです。

掌という感覚を伴う場所にあった”それ”が、今は存在していません。
それを眺めることによって、お別れしてしまった何かを想っている描写と思います。

さて、この「停滞した自分」から第2の時系列に移ります。

太陽は何も知らない顔 完璧な朝を連れてくる
丸めた背中で隠して 冴えない顔 余計なお世話

出来る事はあんまりないけど 全くないわけでもないから
全自動で続く日常をなんとなく でも止めないよ

BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』(作詞・作曲:Motoo Fujiwara)

夕立は止み、朝が訪れます。
このとき、おそらくもう部屋の中にはいないのだと僕は思います。
雨が止んだ後、気分が晴れたわけではないけど、それでも外(日常)へと戻っていきます。

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<何も知らない顔の太陽が、完璧な朝を連れてくる>
これは「全自動で続く日常」と同じことを現していると思います。
どれだけ自分が悩んでいても、そんなことはお構いなしに朝は毎日やってきます。
”完璧な”という表現はおそらく、太陽に対する「こっちの気も知らないで・・・」というニュアンスの皮肉だと思われますが、この辺りは流石といいますか、藤原さん深い感性が出ていますよね。

<全自動で続く日常を止めない>
ここはバンプがずっと歌い続けている表現ですよね。

もう駄目って思ってから わりと何だかやれている

BUMP OF CHICKEN『Hello,world!』(作詞・作曲:Motoo Fujiwara)

 

体と心のどっちに ここまで連れて来られたんだろう

BUMP OF CHICKEN『話がしたいよ』(作詞・作曲:Motoo Fujiwara)

 

配られた地図がとても正しく どこかへ体を運んでいく

BUMP OF CHICKEN『ゼロ』(作詞・作曲:Motoo Fujiwara)

なんとなくでも大丈夫だから、とにかく生きていて欲しいという願いはバンプの根底にある優しさと思います。

第2の時系列では、停滞を諦め、悩みながらも部屋の外に出て歩み始めました
ここから最後の時系列につながります。

振り返らないから 見ていてほしい 強くはないけど 弱くもないから

BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』(作詞・作曲:Motoo Fujiwara)

ここである種の”決別”を心にしています。
自分の弱さを認めつつも、それまでの自分を大切に抱えながら進んでいこうという決別です。

これ以降もしばらく曲は続きますが、ここから先の歌詞はすべて弱さを受け入れた上でのポジティブな表現が描かれているのだと思います。

以上が『宝石になった日』という曲が辿る変遷です。
この辺りを意識して聴いていただけたら幸いです。

②「宝石になった日」はいつ?

曲タイトルでもある「宝石になった日」。
これがいつの日を表しているのかは極めて重要ですよね。

僕なりの結論ですが、「大切な思い出すべてが”宝石になった日”」だと思います。
つまり特定の日に一つの宝石が生まれたのではなく、大切な思い出一つ一つのすべてを宝石に見立てているのではないでしょうか?

君がいた事が 宝石になった日

BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』(作詞・作曲:Motoo Fujiwara)

曲の結びとなるこの歌詞がすべてだと思います。
「君がいた日々」がいくつも積み重ねって、大切な思い出になりました。
その思い出一つ一つが宝石のように、歩いてきた道のりの上で輝き続けているのだと思います。

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まとめ:『宝石になった日』は別れた後で、宝石のような日々を思い返しながら未来へ歩んでいく曲。

イメージ的には、人生という”道”があって、その途上に宝石の輝きが無数にある感じでしょうか?

背後の輝き一つ一つがとても大切で、この先、直接それを目にすることはなくても、その輝きがあったことはちゃんと知っている。
だから、それを胸に、未来にある別の宝石を探して歩いていこうという曲だと思います。

そんな、宝石のような思い出を歌い上げる曲だからこそ、聴いている人は自分と重ねて泣けてくるのだと思いました。

みなさんが『宝石になった日』を聴くとき、少しでも参考になれば幸いです!

もし歌詞の解釈で、「自分の捉え方は違う!」という人がいらっしゃいましたら、ぜひページ下のコメント欄に書き込んでください。
僕はバンプ好きのファンが知り合いにいないので、お話しできたら嬉しいです。

それではここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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