enlog(3):第28回電撃大賞の結果報告[2021/07/10]

第28回電撃大賞の1次選考結果が公開されました。

数ある賞でも最大級かつ最難関とされる電撃大賞。
この度の総応募数は4,411作品とのことで、例年通りの盛況ぶりです。
ちなみに長編が3,255作品で、短編が1,156作品とのこと。

僕は長編に1作品応募していました。
期限ギリギリまで粘りに粘って書いた力作です。

で、結果ですが……。
残念ながら1次落選でした。

うーん、ある程度は覚悟していたのですが、やっぱりショックですよね。
10万字を書くために傾けた時間と熱量が無に帰すようなこの感覚は、何度味わっても慣れません。

1次選考をみごと突破した長編作品は411作品。
合格率は約12%なので、やはり狭き門ですね。

僕は去年に引き続き1次落選ということで、今の実力が身に染みる結果となりました。

ツイッターでも喜びと落胆の声が入り混じっています。
あまりに大きな第一の壁を突破された皆さま、おめでとうございます!
惜しくも落選された皆さま、切り替えてまた次に挑みましょう。僕も頑張ります!

以上が結果報告となりますが、今回の経験を糧にするという意味も含めて、今回のログでは僕自身の反省点と、今後の方針を記しておこうと思います。

PS.
落選報告のツイートに反応くださった皆さま、本当にありがとうございました。
覚悟していたこととはいえ、やはり落ち込んでいたので元気を頂きました!

第28回電撃大賞の応募作。その反省点。

今回僕が応募したのは”バトルファンタジーに医療の要素を加えた小説”です。

ざっくり説明すると……。
いろんな種族が存在する世界で戦争が起きていて、主人公とヒロインは、戦場で戦いながら医療行為も行う部隊をつくろうと奮闘する、みたいなかんじです。

生い立ちをもとにした主人公が抱える問題や、ヒロインの根幹を成す思想を練りに練りました。
いつもドンパチやって終わりになりがちな戦闘シーンにも、ひとつひとつ意味を持たせることを意識した今作。
手前味噌ながら、ある程度は満足できる出来になっています。

しかし、応募してから間を空けて読者の視点で読んでみたところ問題点の数々も浮き彫りに。
細かく挙げだしたらきりがありませんが、とりわけ深刻そうな問題は以下の3点でした。

問題点①:シーンが連鎖していない……

自作を読み返していて、思い出されたのは『アウトラインから書く小説再入門』の一節でした。

アウトラインから書く小説再入門

いくつもの小話の寄せ集めに見える作品と、きちんと一篇の小説として成立できる作品との違いは何でしょう? すべてのシーンが分かちがたくつながり合っているか。つまり、作品を成立させるにはワンシーンたりとも削除できない形が理想です。たとえて言うなら、ドミノ。大きく複雑な形に並べるには何時間もかかります。ピースを並べ終えたら、最初の一枚を倒すだけ。最後の一枚まで完璧に、パタパタと倒れます。でも、一枚でも位置が外れていたら、そこで止まってしまいます。

フィルムアート社『アウトラインから書く小説再入門』(著:K.M.ワイランド 訳:シカ・マッケンジー)193ページより

今回僕はかなり凝ったストーリーを考えました。
結果、それを成立させるために必要なシーンをひたすら並べるだけに終始してしまった印象です。

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上記の「ドミノ」に例えるなら、”一枚でも位置が外れていたら”どころか、すべてのピースが距離を空けて並んでいて、読者は一枚一枚それを倒していく作業が必須になってしまった感じです。

シーン単体で見れば、発展途上ながらある程度の水準には達していると思うんですよね。

なので次作では、緻密なドミノ倒しのような作品を目指そうと思います。
ただこれを意識すると、遊びのシーンが増えてしまいそうなので、”ワンシーンたりとも削除できない形”という項目にも注意が必要ですね。

問題点②:地の文で語りすぎた……

設定やストーリーを作り込んだこともあって、今回は説明の文章が増えてしまいました。
ある程度は気を付けて執筆していたのですが改めて読み返してみると、まぁ説明文の多いこと。

「語るな。見せろ」が創作の基本と頭で分かってはいたのですが、実践するのは難しいものですね。

設定やストーリーを練ったのは間違いではないと思うので、もっとキャラの言動や行動、ストーリーに沿った見せ方ができるよう工夫していこうと思います。

問題点③:セリフのセンスがなさすぎる……

キャラの生い立ちや思想、クセなどは割と考えていたのですが、それがセリフに反映されていなかったです。

どうしても説明調になってしまうというか、現実でこんな言い回ししないし、一人称や語調を除いたらみんな同じになってしまう感じがしました。
呼称や口癖といった小手先の工夫も大切ですが、それ以上にもっと生きた会話が書きたいと切に思います。

これは一朝一夕でできるものではないので、色んな作品を読みながら研究していこうと思います。
加えて最近は名作と呼ばれる映画を見るようにしているので、そちらからもリアルな会話を学べたらと思う次第です。

今後の方針

ここ数週間、ちょっと怠けた生活をしてしまったので、今回の落選を受け止めてまたコツコツと活動していこうと思います。

小説の執筆はひとまず2作品に絞る

書きたい作品がいくつもありますが、ひとまず2作品に絞ろうと思います。

1つ目は今回落選した「バトルファンタジー×医療」の小説を書き直します。
大まかな設定やストーリーはそのままで、もっと小説作品としてのクオリティを高められるよう再出発です。

2つ目はまだ草案ですが「ファンタジー(SF?)×スポーツ」ものを考えています。

後者は次回の電撃大賞に応募予定。

前者はまだ迷っていますが、年末締め切りのオーバーラップ文庫大賞への応募も検討中です。
プロフィールでも触れていますが、ここも過去に一次選考で落ちているのでリベンジしたいところ。
そのときに頂いた評価シートが的確なアドバイスと気遣いに満ちていたこともあり、個人的に印象の良い賞でもありますし……。

ブログ更新も頻度を上げていきます

ブログは学んだことのアウトプットや備忘録のために始めたのですが、最近はその時間を小説執筆に充てた方がいいのではと悩んだりしてました。
今回のこのログもすでに2,500字くらい書いていて、これだけ小説を書いたら大きいですし……。

でもやっぱり、自分の学びや想いを言葉にして発信すると、頭がすっきりするし現状の整理にもなるんですよね。

それに、こんな個人のブログにも関わらずこれを書いている時点で月間6,000PVくらいはありまして、僕なんかが書く記事でも誰かの役に立てているかもしれないと思うと、こそばゆくも嬉しくて仕方ありません。

学びを発信することで自分の勉強になることは間違いありませんし、読んでくださる方のお役に立てている(かもしれない)のはやりがいに繋がります。

 

ということで、今後も小説執筆とブログ運営を両立させていきますので、また気が向いたときにでも覗いていただけたら嬉しいです!
それでは今回はこの辺りで失礼します。最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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