運動はするべきですよー、みたいな記事をこれまで何度か書いてきました。
本記事はアイデアのひらめきに関するものですが、言いたいことは”やっぱり運動は大事だよね” に行き着きます。
そうです。運動はアイデアのひらめきにも有効なのです。
ではさっそく、運動とアイデアの関係について見ていきましょう!
参考書:アンダース・ハンセン,御舩由美子[訳](2018)『BRAIN 一流の頭脳』サンマーク出版
天才と呼ばれる人たちも運動を習慣化していた
まずはアイデアをひらめくために運動を習慣にしていた偉人たちを見てましょう。
- アインシュタイン→自転車を漕いでいるときに相対性理論を思いついたそうです。
- ベートーヴェン→着想を得るために、仕事を中断して長時間の散歩を行ったんだとか。
- ダーウィン→屋敷のまわりの散歩道を何時間も歩いていました。(それを「思索の小径(こみち)”thinking path”」と呼んでいたそうです)
- スティーブ・ジョブズ→歩きながら会議を行う「ウォーキング・ミーティング」が効果的と考えていました。(Facebookのマーク・ザッカーバーグや、Twitterのジャック・ドーシーたちもこれを取り入れたんだとか)
名だたる偉人ばかりで気後れしてしまいますが、何ごとも真似事からです。
彼らに倣ってアイデアに行き詰まった際には散歩などしてみると良いかもしれません。
創造性には2種類ある
アイデアへの運動効果をお話しする前に、そもそも創造性とは何かについて知っておきましょう。
本書によると創造性の能力は2つの思考法に分類されるとのこと。
その2つとは、
- 発散的思考法
- 収束的思考法
となります。
それぞれ説明していきますね。
発散的思考法
本書から引用します。
いわゆる「ブレインストーミング」のことだ。多角的で相関性のある答えをできるだけ多く想起することである。(215ページより)
発散という名の通り、広く浅くポンポンとアイデアを出していく思考法です。
収束的思考法
こちらも本書から引用。
発散的思考法とは相反するタイプの思考法だ。〈略〉唯一の正解にすばやくたどり着くための思考である。
これはつきつめていうと、与えられた情報の本質的な要素を見抜くことだ。たとえば3つの言葉を与えられたときにすばやく共通点を見つけられることは、この思考による。(216ページより)
収束というの名の通り、与えられた要素を追求する思考法です。
2つの思考法の比較
発散的思考法は広く浅くでしたが、収束的思考法は狭く深くといったイメージですね。
創造性と聞くと発散的思考法のことを指すように思えます。
実際に発散的思考法のテストを行うことで、創造性のレベルをかなり正確に計ることができるそうです。
とはいえ収束的思考法が創造性に関与しないかというと決してそんなことはありません。
本書によると、
収束的思考法は、「突拍子もない、非現実的な発想に飛ばない」という点で創造において重要な思考だ。科学においても芸術においても、創造には欠かせない頭の働きなのである。(216,217ページより)
とのこと。
要は発散的思考法で当たりを付け、それを収束的思考法で吟味していくといったやり方が良いのではないでしょうか。
「アイデアを歩かせよう」という研究論文
創造性について理解したところで、アイデアのひらめきには運動が良いとされる研究を見てみましょう。
- これはスタンフォード大学の研究チームが行った実験です。
- タイトルは「アイデアを歩かせよう:創造的思考におけるウォーキングの効能」
- 176名の被験者に、創造性を測る数種類のテストを受けてもらいます。
- 被験者には屋外や室内での運動、立ったり座ったりしてもらうなど様々な条件下でテストを受けてもらっています。
結果は以下のようになりました。
- 歩きながらテストを受けた被験者は好成績だった。
- 具体的には5人に4人の割合で好成績。
- とくにブレインストーミングと新しいアイデアを出す能力において、約60%も引き離していた。(歩かずにテストを受けた被験者と比べて)
- ただし、収束的思考は上がらなかった。
収束的思考は良くならなかったものの、発散的思考は目に見えて良くなった模様です。
つまりアイデアに対し深く追求する(収束的思考)以前の、初期のアイデア出し(発散的思考)の際には運動をした方が良さげというわけですね。
具体的にどう運動するか?
では発散的思考をする際に、どう運動すれば良いのか。
本書で述べられていることを挙げていこうと思います。
- 場所は問わない。室内でも屋外でもOKです。
- ウォーキングよりもランニングの方が効果的かも。(断定はできないそうです)ランニングは30分は取り組む必要があり、走りながら考え事はできないので、この場合は運動後に思考することになります。
- 運動後に高まる創造性の持続時間は1時間〜数時間。
- ただし、疲れ切るほど激しい運動をしてはいけない。(運動を頑張りすぎた被験者はテストの成績が良くなかったんだとか)
- 習慣的に身体を鍛えておくと良い。運動効果が高まるため、より効率的に創造性を上昇できる。
とはいえ個人差はありますので、みなさんも自分に合った運動法を模索してみて下さい。
おわりに
というわけでまたしても”運動は大事!”というお話でした。
これはますます運動を続けるしかなくなりましたねぇ。
私はすでに運動は習慣化していますが、今後は発散的思考をしたいときに重点を置いて散歩してみようと思う次第です。
私の運動習慣についてはコチラで記事にしていますので、参考にしていただければと思います。
それではここまで読んでいただきありがとうございました!