本を読んでいても、ただ文字を追っているだけで頭に入ってこない。
理解出来ていないのだから当然記憶に残らない。
こういった悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか?
かくいう僕も、悲しいことに地頭が弱いせいかなかなか効率の良い読書ができないでいます。
でも、だからこそ良い方法はないかと日々勉強し、試行錯誤を重ねている次第です。
今回は良書『知的トレーニングの技術』(以降”本書”と記述します)から「記憶するための読書術」を学んでいこうと思います。
記憶するための5つの読書術
『知的トレーニングの技術』で紹介されている「記憶するための読書術」は全部で5つになります。
まずはその5つを挙げておこうと思うのですが、その前に大前提となる考え方を覚えてしまいましょう。(覚えるといっても難しいことではありませんが)
記憶は忘却という自然淘汰にまかせておけば、ほんとうに必要なもの、ほんとうに理解できたものは無理なく覚えていられる。これは覚えておきたい、という必要性の自覚がまず先なのだ。
(189ページより)
人間の脳は不要なことは忘れるようにできています。
裏を返せば、ほんとうに必要なことは忘れないということです。
ここを理解しておけば、これからご紹介する5つの方法の意図も察していただけるはずです。
それでは「記憶するための読書術」を5つ挙げておきます。
- 記憶する範囲を限定する
- 忘却曲線を利用して反復・応用する
- 記憶の場所性・空間性を利用する
- 記憶することをひとつのキーワードに要約する
- 自己講義法による記憶読書術
それぞれ詳しく見ていきましょう!
【読書術1】記憶する範囲を限定する
これは説明不要ですね。
先述した記憶するための大前提を覚えていらっしゃるでしょうか?
「ほんとうに必要なことは忘れない」ことでしたよね。
範囲を限定する。つまり必要な部分(記憶したい部分)を自分で認識するということです。
これだけで記憶の効率が高まるのですから、お手軽ですよね。
【読書術2】忘却曲線を利用して反復・応用する
「エビングハウスの忘却曲線」を耳にしたことのある方もいると思います。
これは人が何か記憶してから、時間経過によってどれだけ忘却するかをグラフにしたものです。
- 20分後には半分以上忘れる。
- 9時間後には65%程度忘れる。
- 1日後には70%程度忘れる。
- その後は80%程度の忘却で安定する。
つまり人は、一度記憶しただけでは20%程度しか覚えておけないのです。
20%の定着率では困ってしまいますよね。
ではどうするかというと、とにかく復習する。これに尽きます。
繰り返し復習することで、これは必要な記憶なのだと脳が判断します。
すると、その記憶は脳内の長期保管庫(長期記憶)に蓄えられて忘れることがなくなります。
とはいえ、ただ闇雲に復習すれば良いというのでもありません。
コツは忘れかけている頃に復習することです。
そのための目安となるのが忘却曲線です。
本書によると20分以内と9時間以内に復習すると良いとのことです。
(本書では20分”以内”と書かれていますが、個人的には覚えた直後に復習しても効果は薄いと思います。基本となる考え方はあくまで「忘れかけに復習」ですので、個人差も考慮した時間帯を見いだして下さい)
そして繰り返すほど記憶が定着しますので、何度も復習し、できればその知識を利用・応用することを心がけてみて下さい。
【読書術3】記憶の場所性・空間性を利用する
これは読んだ本のどこに何が書いてあったかを記憶するテクニックです。
本を読んだとき、その内容だけでなく場所や空間を意識すると記憶が定着しやすくします。
「あの記述は序盤の右ページ、上の方に書いてあったな」といったように、視覚的に記憶するようにしましょう。
【読書術4】記憶することをひとつのキーワードに要約する
これは記憶したいことをキーワードで覚え、思い出す際にはそのキーワードから芋づる式に記憶を引っ張り出すテクニックになります。
例えば、先ほど述べた「忘却曲線による復習で記憶を定着する」ことを覚えようとしたとします。
キーワードとして「忘却曲線」と覚えておけば、
忘却曲線ってなんだっけ?→「記憶したことが時間経過でどれだけ忘却されるかのグラフ」だったな→忘れる頃に復習することで記憶への定着が高まるんだよな→そういえば、「忘れる頃」だけじゃなくて「何度も」復習することもコツだっけ……
といったように記憶を辿ることができます。
読んだことすべて覚えるのは大変ですが、キーワードに要約してしまえば覚える量を節約できるはずです。
因みに本書でのアドバイスでは、
キーワードは、連想を利用して想起しやすいように命名することが秘訣だ。
(190ページより)
とのことです。
キーワードを上手く活用して読書できると効率的ですね。
【読書術5】自己講義法による記憶読書術
これは十分に理解できたことは忘れないことを利用したテクニックです。
読んだ本の内容を自分自身に講義してみましょう。(もちろん他人への講義でもOK。というより個人的には、他人に話した方が良い印象です)
講義するためには、その内容を理解し、更にはわかりやすい言葉に変換する必要があります。
こうすることで記憶に残りやすくなるのです。
個人的にはこの方法はかなりオススメです。
僕がこうして学んだことをブログで記事にしているのも、記憶への定着を促すのが理由のひとつです。
学んだことをわかりやすく変換する過程で理解を深められますし、同時に復習にもなります。
みなさんもご家族やご友人に「今日こんな本を読んで、こんなことが書いてあったよ」といったことをお話しする習慣をつけてみて下さい。
一言二言話すだけでも、記憶への定着率が大きく変わってくるはずです。
おわりに
ということで今回は「記憶するための読書術」について学びました。
私は読んだことは全部覚えたいと考え、結局ほとんど記憶できていないことが多々あります。
今回挙げた5つの方法うち、特に「1.記憶する範囲を限定する」と「4.記憶することをひとつのキーワードに要約する」の2つをもっと意識していきたいと思います。
それでは今回も読んでいただきありがとうございました!