【読書とは?】本を読むことの目的は2つに分けられます

本を読むことの目的とは何でしょうか?

僕はジャンルを問わず様々な本を読むようにしています。
”どうして本を読むの?”の問われれば、まっさきに浮かぶ回答は”楽しいから”。これに尽きます。

しかしこれでは感覚的過ぎますよね。
楽しいと思うことには理由があるはずですし、この感覚を言語化することで見えてくることもあると思います。

現在僕は『知的トレーニングの技術』という本を熟読中なのですが、このなかで語られている「読書術」がとても勉強になるので、今回そのなかから「読書の目的と種類分け」についてご紹介しようと思います。

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【読書とは?】世界を他者と共有することが目的です

『知的トレーニングの技術』(以降”本書”とします)で述べられている、「読む」という行為に対する考え方を見てみましょう。

書物というシンボルのカタログには、世界が縮約されておさめられている。ぼくらは自分の体験をもとに考える。しかし、過去のひとびとや他国のひとびとの体験をも「間接体験」として自己の体験のなかにたえずとりこんでいる。読書をとおしてぼくらは他人の人生を追体験するわけだ。

(158ページより)

「間接体験」。
これこそ読書の真髄であり、醍醐味ではないでしょうか?

僕たちは自分たちの目で見た世界しか知覚することができないわけですが、間接的とはいえ読書はこの前提をくつがえします。

著者の考えに触れたり、登場人物に同調して物語に入り込んだり。そしてそれは国や時間にも捕らわれない。

凝り固まってしまった自分一人の”見方”では限界があるはずです。
本来自分の世界しか知り得ない私たちが、他者の世界を「間接体験」することは間違いなく人生をより豊かにしてくれるでしょう。

読書の目的を2つに分類

本書では読書を大きく2つに分類しています。

1つ目が外在的読書

2つ目が内在的読書
(内在的読書に関しては、さらに求道的娯楽的に分けられます)

【読書の目的①】外在的読書

1つ目の外在的読書から見ていきましょう。

外在的読書は、読書の目的(問い)が本の外部にあって、その本は手段にすぎないような場合だ。

(159ページより)

具体的には、予め目的があって調べ物をしたりする場合です。
この場合は本そのものを楽しんだりするつもりはなく、目的は本の外側にあります。

外在的読書では本は手段に過ぎないので、通読、つまり最初から最後まで読み通す必要はありません。
目的の答えが得られれば良いのですから、言ってしまえば答えの部分だけ見つけて読めば事足りるわけです。

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そもそも、ネットの普及したら現代でしたらネット上で検索して済ましてしまっても十分です。
ただ、この場合は情報の信憑性の問題も出てきますので、そこは使い分けは必要になってきます。

【読書の目的②】内在的読書

それでは次いで2つ目。「内在的読書」です。

外在的読書の説明で予想はつくと思いますが、内在的読書について本書から引用します。

内在的読書は、その本を読むこと自体が自己目的であるような場合で、読み終わったあとの結果をなにも予想しない。この読書態度は無心で純粋だから、思わぬ自己変革のきっかけになることも多い。

(160ページより)

読み終わったあとの結果を何も予想しない、という部分がポイントでしょうか。

内在的読書はさらに「求道的」なものと「娯楽的」なものに分けられます。

「求道的」なものは著者に学ぼうとする姿勢のつよいもの。外在的読書の要素も少し含んだイメージですね。

「娯楽的」なものは文字通り楽しむためのものです。

どちらにせよ結果を予想することなく読むため、偶然の産物を期待できるわけです。

内在的読書にはコツがあるため、本書で述べられているコツを僕なりにまとめておきます。

  • 凝り固まった思想はいったん捨てて、まっさらの状態で読む。
  • 著者の思想に自分が変えられても良いという姿勢で読む。
  • 著者の思想で考えられるようになったら、それをいろいろな事例に当てはめて考えてみる。
  • 当てはめられない事例があれば、もう一度本のなかに戻る。

以上を意識すれば私たちはある面では著者を超えられるとのことです。

そこまでいけば、ぼくらはその本をわがものとし、ある面では著者をのり超えたことになる。求道、ーー道(ルート)を見つけたのだ。

(161ページより)

最後の言い回しはカッコいいですね。

これまでの自分を捨て去って新たな視点を得ることは難しく、なにより怖いことだと思います。
しかし、読書を通して”道(ルート)”を見つけることができれば、わたしたちはどこまでも成長できるはずです。

読書は目的を持って行いましょう!

ということで「外在的読書」と「内在的読書」についてお話しました。

本書では「外在的読書」は速読し、かつ本を購入する必要はない(図書館で十分)。対して「内在的読書」は時間をかけて楽しんで読み、本は手元に置いておくべきと述べられていました。
僕にとってはこの部分がとても良い勉強になりました。

僕は本はとにかく手元におき、何度も速読するのが正しいと考えていましたが、これこそ凝り固まった思想だったかもしれません。
もっと目的に合った手法を考えていかなければと思う次第でした。

みなさんも今一度”読書の目的”について考えてみてはいかがでしょうか?
読書を上手く活用し、なにより読書を楽しむ喜びを知って頂けたら幸いです。

それではここまで読んで頂きありがとうございました!

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