今回は「愚か者」についての名言をご紹介します。
参考書は『心にのこる言葉』です。
本記事では著者の小野寺先生と私の考察をそれぞれ綴っていこうと思います。
参考書:小野寺健2010『心にのこる言葉 ベストセレクション162』ちくま文庫
「愚か者」に関する名言
If the fool would persist in his folly he would become wise.
From “Proverbs of hell” by William Blake愚か者も、その愚かさにしがみついていると、やがて賢くなる。
ウィリアム・ブレイクウィリアム・ブレイク(1757-1827)
イギリスの詩人・画家。ロマン派の先駆だが、その思想は神秘的性格が強く難解である『無垢の歌・経験の歌』など。(64ページより)
私の思うこと
愚か者と呼称されて喜ぶ人はあまりいないと思います。
あまり、と言ったのは私自身は常に愚か者で在り続けたいと願うからです。
もう少し詳しく言うと、端から見て愚か者と思われるような姿勢を貫きたいと思っています。
”愚か”というレッテルは得てして自分以外の、世間というものが貼るものです。
世間から容認されにくい、いわゆる常識外れこそが「愚か者」を指すのではないでしょうか?
そう考えると、愚か者たることこそ、本当の自分を確立するに正しい在り方ではないかと思うのです。
世間に合わせ、常識人たることももちろん大事です。
しかし、それだけでは殻を破れない場合も確かに存在します。
私はプロの小説家志望ですが、まさにこれが当てはまるのです。
他人の言葉にばかり耳を傾けていては、独自の作品を生み出すことはできません。
そもそもプロを目指すという時点で、多くの人に愚かと思われがちですが、そんなことを気にしていてはプロになどなれるはずがありません。
今回の名言にある「やがて賢くなる」状態に至るには、いくら世間に愚か者と言われようと、一貫して努力を続ける必要があるのです。
愚か者と呼ばれた場合はむしろ自分を誇るべきです。愚か者は自分が自分たる証であり、その姿勢を愚直に保っていけば、いつかきっと成功を収めることができるのですから。
ちなみに私のこの考え方は、明らかにスティーブ・ジョブズ氏の名言「Stay Hungry. Stay Foolish.」によるものです。ジョブズ氏の考え方は自分を確立して生きていくための力を私たちに与えてくれます。
ジョブズ氏のスピーチに関しては過去に記事にしておりますので、よろしければご覧下さい。
→スティーブ・ジョブズの『伝説のスピーチ』に学ぶ “私たちはどう生きるべきか?”
著者による見解
それでは次に『こころに残る言葉』での、小野寺先生の見解を簡潔にまとめます。
- 何かにしがみついていられるのなら、それを愚かとは言えない。
- 「しがみつく」、というより「執念」を持つことが鍵になる。
- たいていの人は何事も持続できない。
- 人生のほとんどは持続できるかどうかにかかっている。
- 「虚仮の一念」や「好きこそものの上手なれ」という言葉はまさにその通り。
- 持続できる人間はすでに偉才。
とのことです。
さらに、本書を読んでいて勇気をもらった文があったので引用させていただこうと思います。
この世には、偉才、天才がそれほどいるわけではない。だから、わたしは学生たちにこの「持続」という言葉を贈ることにしている。
(65ページより)
自分の凡才を自覚してなお、プロを目指そうと決めた私には有り難い言葉です。
凡才が偉才、天才に食らいつく術は、努力を「持続」する他にありません。
おわりに
今回は私の考えと、小野寺先生の見解がわりと近かったのではないでしょうか?
私は愚か者と評されることを受け入れているのに対し、小野寺先生は「持続」できる人(しがみつく人)はすでに愚かと言えないとしていますが、どちらも努力を続けることこそ大事という意見です。
小野寺先生が引き合いにしていた「好きこそものの上手なれ」という言葉は座右の銘としてもメジャーだと思いますが、これを実行できたら確かに怖いものなしですよね。好きな事を追求し続ける人生を歩んでいきたいものです。
余談ですが、私は「愚か」という言葉を聞いて真っ先に思い浮かべる単語が「愚直」なのですが、これはほんとうに良い言葉だと思います。(小説を書いていても無意識に多く使ってしまうので、気をつける必要があるほどです)
みなさん、生きにくい世の中と感じた時こそ”愚直”に生きていこうではありませんか。