ココナラの小説感想サービスにて。プロ作家の方にアドバイスを頂きました!

『ココナラ』というサイトで、エンタメ作品とライトノベル作品合わせて4冊出版している、現役のプロ作家の方に感想・アドバイスを頂きました。かなり有意義なアドバイスを頂けたので、頂いた感想全文と共にサービスをご紹介します。

今回依頼させていただいた「小説感想サービス」

今回は現役プロ作家の古宮悠さんに、僕が書いた小説の感想をお願いしました。
まあ ”感想” というよりは、”プロ視点からのアドバイス” が欲しかったのが正直なところではあります。

今回の依頼内容をまとめると・・・

  • 料金合計は13,000円(税込)
    ⇒基本料金7,000円(税込)+”小説文字数UP” と “感想文字数UP” のオプションを購入
  • 依頼作品は僕が書いたファンタジー小説『羽根のない人』(電撃大賞、オーバーラップ文庫大賞にて一次落選)
  • 依頼時にお伝えした内容は「プロ志望なので、率直な感想を下さい」

 

ちなみに、今回の料金は僕が購入した時点でのものですので、ご購入の際は必ず『ココナラ』の販売ページにてご確認ください

今回依頼した『羽根のない人』は8万字でしたので、文字数UPのオプション料金含めて11,000円(税込)。
さらに、通常1,000文字で納品される感想分を3,000文字にしてくれるオプションを2,000円(税込)で購入しています。

正直、他の小説感想サービスと比べると高価な部類です。

ただ、編集さんとも接しているであろうプロからアドバイスを貰えるのですから、その価値はあると思い購入した次第です。
そして実際、価格以上の見返りがありました。

>>古宮悠さんの小説感想サービスはこちらから

書いていただいた「小説感想文」

案内では依頼日から2週間後に納品とのことでしたが、それより2日早く納品していただけました。

感想文字数は5,000字。
途中、小説からの引用がありましたので、それを差し引けば3,500文字くらいの感想です。

このボリュームの感想を貰うのは、投稿サイトや新人賞の評価シートではまず不可能。
有料サービスの強みと言えますね。

もちろん内容も濃厚でした。
全文公開する許可も頂いていますので後ほど載せますが、まとめると以下の感じです。

 感想文の内容まとめ

  • セリフが上手い
    ⇒自分ではセリフは苦手と思っていたので嬉しかったです。さらに精進したいと思います。
  • 書籍化されたらこのシーンに挿絵が入るはず
    もちろんリップサービスもあると思いますが、書籍化前提で読んでくれているのは有り難いものですね。
  • 序盤での情報過多
    これは自分でも感じていたので、自分の見立ての答え合わせができた思いです。
  • ひとつひとつのシーンが長い
    ⇒これが今回一番の収穫と思っています。確実に今後の作品に活かしていきたいアドバイスでした。贅沢なことに、引用しつつ添削していただいており、1500字が500字まで削られています。笑 これでいいんだ、とまさに目から鱗でした。
  • メインストーリーがない
    ⇒これですが、僕的にはできているつもりだったので、今回ご指摘いただけて本当に良かったです。出来ていないことに気付けなかったら、この先もずっと独りよがりな小説を書き続けていたはずです・・・

他にも沢山アドバイスを頂いていて、どれも参考になるものばかりです。

感謝せずにいられないのは、依頼したとおり、褒める感想よりもアドバイスに比重を置いていただけたことです。

僕も感想サービスを販売しているので分かるのですが、感想って褒める方が楽なんですよ。
アドバイスは知識や経験をフル動員しなきゃいけないし、本当にそれが正しいのかという恐怖もあります。何より、褒めた方がお客さんの反応も良いはずですしね。

プロになりたいという僕の意志をちゃんと汲んでくれたように思います。
やり取りチャットで行うのですが、古宮さんは丁寧に対応くださって終始安心できました。

少し高価ではありますが、今後ずっと生きるアドバイスを貰えると思えば十二分に価値あるサービスです。
ぜひ渾身の一作で依頼してみてください。

ちなみですが、感想の納品後もチャットにて質問を受け付けていただけるとのことです!
自分の作品についてプロに聞くことのできる貴重な場ですので、ご購入時にはぜひ有効活用してくださいね。

>>古宮悠さんの小説感想サービスはこちらから

 

それでは以下に、実際に納品された感想文をそのまま載せますね!

古宮悠さんに頂いた「小説感想」の全文

葛史エン 様

ココナラでお世話になっております、古宮悠と申します。

この度はサービスのご購入ありがとうございました。

さっそくではありますが、貴作『羽根のない人』を読ませていただきましたので、感想およびアドバイスの方をお送りさせていただきます。

小説『羽根のない人』の感想およびアドバイス

【感想① オリジナリティーとアイディアが光る】
呼応石を手に空を駆け、天魔と戦う天駆たちが中心となるバトルファンタジー。主人公のエンナは“羽根のない人”であり、チームを持たずに孤独を貫いていたが、ある日、イーファやアンガスといった“羽根のある人”と出会い――。バトルシーンやアクションシーンの多い活劇でありながら、青春や恋愛要素もあるオリジナリティー溢れる作品でした。

また、チームを作って天魔と戦ったり、アイオンのような獣といったサポーターなど、アイディアの光る小説でもありました。

【感想② キャラクターが生き生きしている】
エンナはチームを作らず孤独に戦っていたり。イーファは少し臆病ながらも直情径行で素直な性格だったり。アンガスは少し荒々しいけど優しさが隠れていたり。と、キャラがリアルに想像できました。キャラのバランスも良いように思えます。また、これほど生き生きしているのはセリフが上手というのもあるかもしれません。

【感想③ 出会いのシーンが印象的】
空中で落っこちながら、主人公がヒロインと出会う、というシーンはみずみずしく、とても印象深かったです。書籍化されたらまずこの部分に挿絵が入るのではないでしょうか。

 

【感想④ ロマンスシーンがグッとくる】
5話、夜の塔の上での、エンナとイーファのやり取りがとてもロマンチックでした。呼応石が欲しいと迫るシーンが特に。他にもエンナ、イーファ、アンガスの三人のシーンで、何度もふたりの甘酸っぱい関係性にグッときました。

※ここからは、アドバイスになります。この作品がどうすればもっと多くの人の心に届くか、あるいは作品の良さをクリアに出すことができるか、私なりに考えてみましたので、以下の「気になった点」にてアドバイスの方を送らせていただきます。アドバイスはあくまで個人の意見として受け取り、取捨選択は作家様にお任せしております。

【気になった点① 序盤の情報量】
ハイファンタジーというジャンルの特性上、世界観や設定、アイテムなどにおいて造語を用意するのは当然のことで、またそれを読者に早い段階で伝えなくてはならないとは思うのですが、とくに1話目が「説明的」「情報過多」といった印象を受けました。

呼応石。天駆。天魔。天狼。狼獣。魔道具。魔武器。魔導具。羽根のない生き物。……何も情報がない、リテラシーのない状態で読んだときに、一般読者はその1話の情報の多さについていけず、離脱しかねないような気がします。ジャンルがハイファンタジーのバトルものなのでさらにハードルが高く、また話者が淡々と情報を説明しているので、やや読みにくい印象を受けました。

改善策としては、これはかなり構成にも影響してしまうのですが、プロローグで短くバトルシーンのみを描く。その際はただカッコいいアクションシーンとして見せ、読者に「何だろう、この石は」「空を駆けてるのかこの人たちは」などと煽り、1話目で日常(キウォールでの生活)の中で、違和感なくプロローグに出したあらゆるアイテムや設定の説明をしていく……といった工夫が必要です。

日常のシーンで、あまり天魔と人々の関係性や、天駆のトレーニングシーン、呼応石と天駆のシーンなどが描かれていなかったので、そういったシーンを足しつつ、世界観や設定の説明をしていくイメージです。

現在だと2話までずっとバトルシーンが続いており、読者が慣れない用語に慣れることができないまま天魔との攻防を見せられているので、もう少し読者を意識した構成に組み替えてもいいような気がしました。

【気になった点② 一つのシーンの長さ】
1話と2話がずっと同じバトルシーンであったり、というのもそうなのですが、基本的にどのシーンもやや長いように思われます。地の文とセリフの両方でそれを感じました。

例えば、9話目。

 気付くと周りの景色は移り変わっている。街の離れにある自然公園にいた。

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植えられた草花や木々が風に揺れて葉音をたてる。池には月が揺れていた。人工的な様相は薄く、それこそ自然であることに重きを置いて造られた公園だった。

そのなかに一際目立つ樹がある。

節くれ立った立派な幹は鮮やかなモスグリーンの苔を纏い、人が十人で手を繋いでも抱えきれないほどに太い。そこから伸びる枝の葉たちが月光を照り返して輝いていた。

「登るぞ」

言うやアンガスは幹に手をかけ、跳ぶようにして登っていってしまう。酒壺を手にしているため、片手での木登りだった。

「一体なんなんだ……」

呆れながらも、みるみる小さくなっていくアンガスを追ってエンナも登り始める。何故か飛ぶことをしなかったアンガスに倣って陣は使わなかった。

ほとんど頂上にある太い枝に腰掛けているアンガスを見つけ、隣に腰掛ける。

「この年で木登りするとは思わなかったよ」

皮肉交じりに言ってやると、アンガスにしては珍しく無邪気に笑いかけられた。

「たまにはいいだろ? この樹、初めてこの国に来たときに上空から見えてな、ここからの景色を見てみたいと思ってたんだ」

「自力で飛べるやつが今更なに言ってんだか」

「そう言うなって。地に足つけて見たい景色ってもんがあるんだよ。ーーほら飲め」

懐から取り出した二つの小さな盃に並々と酒を注いだアンガスが、そのひとつを差し出してくる。

「俺は飲まない」

「飲めないのか?」

「……飲んだことがない」

仲間同士で楽しげに酒盛りする天駆たちを目にしたことはあるが、チームを持たないエンナには無縁の光景にすぎなかった。必要に駆られることこともなかったから飲んだことがないし、飲んだことがないのだから嗜好品として酒を楽しむことも当然なかった。

「んだよ。飲まず嫌いかよ。いいから飲んでみろ、こいつは高級な酒だぜ?」

美味そうに酒を呷るアンガスの薦めを頑なに拒む理由もなかった。それに、月明かりの下で星を眺めながら酒を飲むのも一興かと思った。

杯の中で揺れる透明な液体を見つめ、アンガスを真似て一息に呷った。

一瞬にして口の中にアルコールの刺激と香りが広がり、それが鼻腔を抜けた。

「う……げほっ、ごほっ」

体験したことのない味覚に驚いて、慌てて喉の奥へかき込むとむせ返ってしまった。熱の塊が喉を通り過ぎていったようで、その熱がひりつく小さな痛みとなって残った。

「なんだ……これ」

涙目になって咳き込むエンナをアンガスは可笑しそうに眺めながら、自分は二杯目を注いでいる。

「ばか。いきなり呷るやつがあるか。まずは口に含むようにして、ゆっくり味わってみろ」

「そういうもんなのか?」

ほら、と容赦なく酒壺を差し向けてくるものだから、疑惑の眼差しを向けながらもおずおずと杯を差しだした。

再び注がれた酒を睨みつける。意を決しておそるおそると、今度はゆっくりと杯を口元へ持っていく。すると、先程は内側からの刺激としてしか感じなかった芳醇な香りが鼻をくすぐった。

幾分か気分をよくしながら口をつけ、言われたとおり口に含むように微量の酒を流し込んだ。舌の上で転がすように味わうと、ゆっくりと深みのある香り広がり、その奥にある爽快な甘みを感じた。こくりと喉を鳴らすように飲み下すと、先程は業火のようにすら感じた熱が、今度は仄かな陽光のように胃の腑を暖かめてくれるような心地よさがあった。

「美味いだろう?」

「わるくない……」

エンナとアンガスが仲を深めるシーンで印象的ではありますが、ストーリーに大きく関係はしません。以下のように短くしてもいいかもしれません。

気付くと街外れの自然公園に来ていた。

「お、おい。アンガス」

 何を思ったのか、一際目立つ立派な樹の幹に手をかけ、跳ぶようにして登っていくアンガス。酒壺を手にしている。片手での木登りだった。

 呆れながらも、仕方なくアンガスを追ってエンナも登り始める。羽根のない人の意地として、陣は使わない。

「この年で木登りするとは思わなかった」

 太い幹に座るアンガスの横にエンナも座った。

「ほれ、飲め」

 アンガスがそう言って、酒を注いだ盃を差し出してくる。

「……」

エンナは受け取るも口をつけられない。チームを持たないエンナはこんなふうに酒を勧めてくる仲間に出会ったことがなかった。

「もしかして酒飲んだことないのか。良かったな、最初が高級な酒で」

 美味そうに酒を呷るアンガスの薦めを頑なに拒む理由もなかった。真似て一息に呷る。

「う……げほっ、ごほっ」

「ばか。いきなり呷るやつがあるか。まずは口に含むようにして、ゆっくり味わってみろ」

「そういうもんなのか?」

 エンナは再び注がれた酒に、おそるおそる口をつける。言われたとおり微量の酒を流し込んだ。すると先程は業火のようにすら感じた熱が、今度は仄かな陽光のように胃の腑を暖かめてくれるような心地よさがあった。

「わるくない……」

上のリライトで約1500字→約500字です。会話や地の文は省略できるところは省略し、その分、より多くの違うシーンや展開が見たいです。

やや物足りなく感じられるかもしれませんが、シーンの細部を充実させるよりも、展開やストーリそのものを充実させた方がいいような気がします。

公園の描写を省くか省かないかは好みの問題です。ストーリーと関係しない情景描写は普段省くので、私は省かせていただきました。

【気になった点③ メインストーリーがない】
こちらの小説は、「状況」はありますが、「メインストーリー」がないように感じられました。何か全体を通して展開される大きな筋があるといいような気がします。

現在だと、その場その場で何かが起きて……という構成なので、主人公がどんな目的で何をする話なのか、という核心がわかりにくい印象を受けました。

中心がないまま出発しているので、最大の悪は天魔であるはずなのに、クライマックスでアンガスとの戦いにすり替わってしまっています。後半になればなるほど「正義」と「悪」の抽象的な話や、心内描写が多くなり、情緒たっぷりになっていて、読者はそのためにブレーキを踏まれているような思いをするかもしれません。

【気になった点④ 主人公の行動原理】
チームを作らず、ひとりでの戦いを好むエンナ。自分には協調性がないと自覚しているにも関わらず、序盤からイーファやアンガスをすんなりと受け入れてしまっていることに違和感を覚えました。

始めのうちはもっと心を閉ざしていていいような気がします。共に行動するうちに、あるいは共に天魔と戦ううちに、仲間の重要性に気づき、ふたりを徐々に許していく、という流れの方が自然な気がしました。

【気になった点⑤ 主人公について】
主人公の人となりがわからないまま、序盤が終始バトルシーンなので、なかなか感情移入がしづらいかもしれません。バトルシーンは魅力的ですが、読者が期待するのは人となりがわかった上でのキャラのバトルシーンなので、主人公が普段どんな暮らしをしているのか、いかに孤独なのか、チームを作っている人たちに対してどんなコンプレックスを持っているのか、そもそもチームを作れない孤独な人間になってしまったのは過去にどんな事件があったからなのか、などなどをもっと序盤に伝える必要がある気がします。

【気になった点⑥ 設定の細部】
造語が多い分、付随する要素について気になってしまいました。

・天駆はいつ発足し、何人いて、どのように出動するのか。

・天魔がいかに恐ろしいか。人々が恐れているか。

・天駆を養成する学園などがあるのか。

・呼応石を使った技はないのか(打撃が中心なので、もっと見栄えのする攻撃があるといい気がします)

・悪であることのデメリット(イーファが結局“悪”ということですが、あまり悪であることに関する深刻さが伝わってきませんでした)

 

以上が感想およびアドバイスになります。

文章力のある作家様ですので、ぜひ読者の目線をさらに意識しつつ、たくさん書いていただけたら幸いです。感想コメントはあくまで個人の意見ですので、参考程度にお願いいたします。また機会がございましたら、いつでも頼ってくださいませ。

このたびは素敵なバトルファンタジー小説を読ませていただきありがとうございます。

おわりに

ということで、今回はプロ作家の方に感想(というかアドバイス)を頂きました。

つくづく、自分では気付けない事って多いなと実感しました。
今回頂いたアドバイスは、確実に今後に活かしていけると思っています。

特にシーンの配分や、メインストーリーの構築に関してはまた一から勉強しつつ、作品に繁栄していくつもりです。
それでもって、僕が学んだことは皆さんにもブログやサービスを通じて広めていけたらと思っています!

古宮さん、この度はためになる感想を、そして感想をブログに載せることを了承いただき本当にありがとうございました。
僕もいつか古宮さんのようにプロの舞台へ上がれるよう頑張っていこうと思います!

>>古宮悠さんの小説感想サービスはこちらから

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