小説のテーマをつくろう!普遍的な3つのテーマとは?

先日の記事で、小説におけるテーマの重要性をお話ししました。

小説を書くに当たって、テーマは重要です。
しかし、何もない場所からテーマを生み出すのが困難なのもまた事実です。
私自身、テーマを考えるのは大好きなのですが、やはり何かきっかけがなければ考えようもありません。

そこで今回は、どうやって小説のテーマを考えるかについて具体例と共に学んでいきたいと思います。
みなさんの作品づくりの一助となれば幸いです。

参考書:カール・イグレシアス[著]、島内哲朗[訳]2016『「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方』フィルムアート社

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3つの普遍的なテーマ

『「感情」から書く脚本術』(以降”本書”とします)によると、テーマは人類共通の問題をあつかうことが多いとのこと。

テーマは、人生の、そして人間という存在そのものの反映であるから、普遍的な感情や人類共通の問題を扱うことが多い。〈略〉お話を語るという行為の歴史の中で、間違いなく成功が実証されたテーマを分類して用途に応じて使えば、脚本家の卵も楽ができるだろう。そのようなテーマは、世代を超えて感情的に響くからだ。

(72ページより)

テーマと聞くとその数は無限大のように思われるかもしれません。
それはある意味真実ですが、かといってすべてのテーマがそれぞれ独立した”個”であるとは限りません。

引用文にあるように、テーマは人間という存在の反映です。つまり根本的に行き着く場所があるのです。
ですから出発点を把握し、組み合わせや応用によってテーマを創り出すことことこそ「テーマを考える」ということになります。

本書では人間の普遍的テーマを以下の3つに大別しています。

  1. 分離/再会
  2. 人間性の危機
  3. 人間関係

本書では、この3つのテーマをさらに掘り下げ、具体的な作品名と共に多くの例を挙げています。(例:人間性の危機→善対悪『スター・ウォーズ』)
本記事では割愛させていただくので、興味のある方は本書をご確認ください。

それではこの3つの普遍的テーマに関して、詳しく見ていこうと思います。

「分離/再会」というテーマ

人間は集団で生きる生き物であり、それゆえに帰属したいという欲求を持っています。

グループに属したい。誰かに認められたい。そういった普遍的な欲求を出発点にテーマを考えるのです。

ポイントは「分離」があってこそ「再会」があるということだと思います。
「分離」している期間があるからこそ、「再会」が映えます。

このテーマの題材となるのは人に限りません。
人と人との出会いはもちろん、故郷や才能といったものも題材になり得ます。

また、どういった手法で「分離」と「再会」を描くかも大きな分岐点となります。
即興ではありますが一例を考えてみようと思います。

安直ではありますが「分離」を”死”としてみましょう。友人を亡くした人を主人公とします。
普通に考えれば死別すれば「再会」はありえませんよね。
しかし面と向かい合うだけが「再会」とは限らないのではないでしょうか?

例えば主人公は友人の本心が分からぬまま死別したとします。
その本心を探るための物語を考え、ラストシーンで主人公が死別した友人の本心へと辿りついたとしたら、二人はもう一度「再会」したことになります。

この”本心”を何にするかだけでも、テーマは千差万別です。他の要素と組み合わせるとその数は計り知れません。

先ほど、テーマの数は”ある意味”無限大と述べたのはこういうことです。
今回の例である「死別」や「本心」といった要素も、元を辿れば「分離/再会」というテーマに行き着きます。
数多あるテーマも、根本があると分かれば考えやすくなるのではないでしょうか?

このように考えていけば、いくらでもテーマを考えることができます。
そしてそれはとても楽しい作業でもあるのです。

「人間性の危機」というテーマ

人が持ち合わせている、人間性を貶めるような暗い側面と対比することで、人として正しい生き方を照らしてくれる物語がある。

(73ページより)

私がテーマと聞いてまず思い浮かべるのがこの「人間性の危機」です。

引用文の通り、人間の弱い部分を描くことで、逆説的に正しさを描くといった手法です。
善悪、差別、戦争、復讐といったものがこれに当たります。

人間はどうしたって弱さのある生き物ですが、同時に強く在ろうと思うこともできます。
そういう感情は誰にだってあるものですので、共感を得るテーマをつくることができるのです。

「人間関係」というテーマ

これに関しては説明不要でしょう。
「人間関係」は、誰もが一度は悩むテーマです。

本書では人の最も強い関係は愛情であると述べられています。
まあ一言で愛情といってもその形は様々ですから、シンプルに見えて果てしなく奥の深いテーマとなります。

愛情以外にも友愛や親子の愛、また人に限らず動物愛もテーマになり得ます。
こういった”型”から、さらに複雑なテーマをつくっていくのが私たち作家の腕の見せ所です。

自分の書きたいテーマを書こう!

というわけで根本となる3つの大きな普遍的テーマを見てきました。

この3つを取っ掛かりにして、みなさんにもテーマを考えて貰えたらと思います。

とはいえ最も大切なのは自分の興味のあるテーマを考えることです。
テーマを考える際には、どこまでも掘り下げていく必要が出てきます。
しかし、私たちは自分の知っている知識や感情、あるいはそこから派生した想像の中でしか物事を考えることができません。

需要がありそうだからといってテーマを選んでも、底の浅いテーマしか生み出せません。
是非とも、みなさんのこれまでの人生の経験や思考などを生かしたテーマづくりに励んでみてください。

もし自分が何に傾倒できるのわからないという方がいらっしゃれば、本書の次の一文が標となってくれるはずです。

もし、それでもテーマが見つけられなかったら、「もし人々の考えを変えられるとしたら、何を変えたいか」と自分に質問してみよう。

(76ページより)

おわりに

私はテーマづくりが大好きです。
自分や知人、そして世の中のことについてあれこれ考えるのが好きなので、テーマづくりに関してはあまり苦労しません。
(とはいえ今回のようにテーマを大別するといった考え方はありませんでしたので、今後はもっと体系的にテーマを考えていくことができそうです)

逆に苦手なのが世界観や人物等の細かな設定です。
定めたテーマを表現するのに十分な設定を考えるだけで満足してしまうので、リアリティのない大雑把な設定になってしまうんですよね……。

テーマはもちろんですが、すべてのクオリティを兼ね備えた小説を書ける作家になりたいものです。

私とは違って、娯楽性重視の設定を考えるのが得意という方はチャンスだと思います。
今回学んだ3つのテーマを基に、少しでもテーマ性を込めることができれば、より深みのある作品が生まれるはずですので、是非とも活用してみてください!

それではここまで読んで頂きありがとうございました!

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生きてる内にあとどれだけ書けるだろう
同じ執筆量で、より巧く。

無思考で書くのは、ほんとうに勿体ない。
たった少しの意識で、あなたの小説はもっと良くなります。




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