【リゼロ】『Re:ゼロから始める異世界生活』の感想&あらすじ(ネタバレ有り無し)

『リゼロ』の愛称で親しまれている『Re:ゼロから始める異世界生活』。
原作小説はもちろん、アニメでも人気を博す作品なので、ご存じの方も多いはず。

かくいう僕はアニメを一部視聴したのみでしたが、今回ようやく原作小説を拝読するに至りました。

というわけで今回の記事では『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』の原作小説1巻の感想を書いていこうと思います。

記事前半では『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』を未読の人に向けて、「ネタバレなしのあらすじ」と「ネタバレなしの感想」を書きます。

記事後半では「ネタバレを含んだ分析的感想」を書きますので、こちらは小説を書くための学びを得たい人や、小説を書く人間がどんな視点で読んでいるのか興味あるという読書家さんにご覧いただければ幸いです!

※この記事では原作小説を紹介していますが、動画配信サービス『U-NEXT』でアニメも視聴可能です。月額制ですが、無料でのお試し期間もあるので興味のある人は利用してみて下さい。(なお、本ページの情報は2022年7月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。)▼

 

ちなみにですが、ツイッターで雅夢さんにおすすめ頂いたことが『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』を読むきっかけになりました。
雅夢さん、ありがとうございました!

なお、みなさんのおすすめ小説を上記のツイートで随時募集していますので、ぜひ教えて下さいね!
拝読した小説は、今回のように感想記事にしますので。

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のあらすじ&感想をネタバレ無しでご紹介します!

Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のネタバレ無しあらすじ①:
主人公は異世界へ召喚された少年・菜月昴(なつき すばる)

新編集版 1話 始まりの終わりと終わりの始まり

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』の主人公は、異世界へ召喚された少年・菜月昴なつきすばるです。

「つまり、これはアレだな」
指を鳴らし、自分の方を見る人々にその指を向けながら、
「──異世界召喚もの、ということらしい」
目の前を、巨大なトカゲ風の生き物に引かれた馬車的な乗り物が横切っていった。

—『Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)』長月 達平著

スバルの視点で物語は進行。
上記の引用文でも「指を鳴らす」「見ず知らずの異世界の人々に指をさす」など、すでに彼の個性が表れています。

ちなみに、異世界召喚は突然起こったようで、着の身着のまま……とまでいかないまでも、以下のありさまです。

置かれた状況と、あまりに貧相な初期装備を鑑みてそんな弱音が漏れ出す。
ケータイ(電池切れそう)、財布(レンタルビデオ屋の会員証多数)、コンビニで買ったカップラーメン(とんこつ醤油味)、同じくスナック菓子(コーンポタージュ味)、愛着しているグレーのジャージ(未洗濯)、使い古しのスニーカー(二年もの)の以上だ。
「なんでエクスカリバーの一つも持ってねぇんだ。完全に終わった。どうしろと」
異世界召喚がコンビニ帰りに起きたのだから仕方ない。まさに瞬きの一瞬だった。

—『Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)』長月 達平著

なんとも心許ない手持ちですが、実は重要な役割を果たすアイテムも潜んでいるのでご期待ください!

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のネタバレ無しあらすじ②:
絵に描いたようにお人好しな少女との出会い

Re:ゼロから始める異世界生活 9 (MF文庫J)

召喚されて早々、スバルは三人の不良に絡まれ暴行を受けてしまいます。

そこへ現れたのは、銀髪の美しい少女でした。

「それ以上の狼藉は見過ごせないわ。──そこまでよ」
銀鈴の声音は鼓膜を心地よく叩き、スバルに今の状況を忘れさせる。ただひたすら、銀髪の少女の存在感に打ちのめされる。男たちにも、同じ動揺が広がった。

—『Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)』長月 達平著

救世主の登場かと喜ぶスバルですが、どうも様子がおかしくて……?

男たちは足蹴にしているスバルを指差し、
「こ、こいつを助けにきた……ってわけじゃねえんで?」
「……変な格好の人ね。仲間割れの途中?  三対一なんて感心しないけど……私と関係あるのか聞かれたら、無関係って答えるしかないわ」
話をはぐらかされていると思ったのか、少女の口調にかすかな苛立ちが感じられた。

—『Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)』長月 達平著

少女はスバルを助けるために来てくれたわけではないようです。

喜びもつかの間。もはやこれまでかと思われたスバルですが、神様は見放していませんでした。
というのもこの少女、底抜けにお人好しだったのです。

スバルに背を向けて、少女の足が路地の外へ向かう。男たちの露骨な安堵。スバルは見捨てられる現実に呆然としかけ──
「それはそれとして、見過ごせる状況じゃないの」
振り返りざまに掌をこちらへ向けた少女──その掌から輝きが乱舞して放たれていた。

—『Re:ゼロから始める異世界生活 1 (MF文庫J)』長月 達平著

魔法が使える様子の少女は難なくスバルを救出します。

そしてこの少女との出会いが、スバルの運命を変えていくことに……。
大切なものを盗まれて犯人を追っている最中だという少女を手伝うことに決めたスバルはどうなるのでしょうか?

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のネタバレ無しあらすじ③:
タイトルの意味を知ったとき、あなたはもう読み進まずにはいられない

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』。
この作品タイトル、かなり秀逸です。

ネタバレを避けるために多くは語りませんが、読み進めていけば、このタイトルの意味が分かるはずです。
そのとき、読者のあなたは結末まで見届けずにはいられなくなっているでしょう。

シリアスな展開も多いですが、明るく前向きなスバルの性格のおかげで見事に緩和されています。
笑える要素も多々ありつつ、設定を活かしきったストーリーも見事です。

すごくおすすめな作品です。
ぜひご一読ださい!

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のネタバレ無し感想

ツイッターで『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』を紹介してくれた雅夢さんは、本作の魅力を「文体」「言葉の使い方」「表現力」だと仰っていましたが、その通りだと思います。

辺に捻った文章ではなく読みやすい。なのに独特。
かつ、シーンに合った描写が魅力的。

文体だけでなく、ストーリー進行のテンポも良いので、ラノベ好きの人には特に合っているのではと思います。

そして何より、キャラクターが素晴らしいです。

あらすじでも触れましたが、シリアス……もとい鬱な展開もあるのですが、主人公のスバルが底抜けに明るくて前向きなので、必要以上に暗澹あんたんとした気持ちにならず読み進められます。

ヒロインである銀髪の少女も、極度のお人好しだけど素直じゃない性格で、彼女を嫌いになる読者はいないのでは?というくらい魅力に溢れています。

ちょっと天然なところもある少女に対するスバルのつっこみもユーモアに溢れていて、見事に笑える要素となっていました。

ネタバレ無しでは、とある重要な設定を明かせず残念ですが、この設定を活かしたストーリーの結末も満足感たっぷりとなっていますのでご期待ください!

小説書き視点『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のここを見習いたい……!(ネタバレ有りです)

※画像はイメージです

ここからは小説を書く人が『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』から何を学ぶべきなのかを、僕なりにお伝えしていこうと思います!

※この先はネタバレを含む内容となっています。未読の人はご注意ください!

①『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』に学ぶ「ストーリー進行のテンポの良さ」

僕が一番勉強になったのはストーリー進行のテンポ——作品の構成ですね。

本作は、プロローグ、第1章〜第5章、エピローグという構成ですが、章の中でさらに数字を割り振っています。

第1章⇒1~10
第2章⇒1~6
第3章⇒1~4
第4章⇒1~9
第5章⇒1~7

といった感じです。

この割り振りが、ストーリーを前に進める上で心地良いテンポを生んでいます。
特に序盤のテンポの良さが素晴らしく、読者を上手く引き込んでいる印象でした。

『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』はもともとWEB公開されていた作品なので、その影響もあるのかもしれません。

僕がまさにそうなのですが、ワンシーンが長くなって作品のテンポが悪くなってしまう作家は大いに参考になるはずです!

②『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』に学ぶ「一つの設定を活かしきる」こと

死んだ瞬間に時間が巻き戻る「死に戻り」の設定が本作のきもであることは、みなさん納得いただけると思います。

今となっては異世界召喚や異世界転生の設定はありふれていますが、本作ではこの「死に戻り」の設定を加えることで、完全なオリジナル作品として確立しています。

ストーリーと構成も、この「死に戻り」を活かしきることに注力されているようです。
僕が感じた「死に戻り」の活かし方と利点は、以下の4つです。

  • 死に戻っていることを知っているのが、主人公のスバルと読者だけであること。
    いわゆる秘密を共有することで、スバルと読者の間に共感が生まれます。そのおかげで読者は物語に引き込まれていきます。
  • 読者は無意識のうちに前回と今回の比較をしてしまう。
    読者は前回の結末——つまり失敗して死に至ること。そしてその経緯を知った上で、次の時間軸を読んでいくことになります。
    「今回はどう改善しながら行動するのだろう? どういう結末になるのだろう?」と思わずにはいられないので、どうしてもページをめくる手が止まらなくなるはずです。
  • 思い切った展開が何度でも書ける。
    「死」は生物における、一つの到達点。その模様は劇的かつ印象的に描ける一方で、一度書いてしまえばそれまでのはずです。
    しかし「死に戻り」の設定のおかげで、作者は何度でも鮮烈なシーンを増産することができます。これが『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』という作品に、他では真似できない凄みを生んでいると考えられます。
  • 主人公以外のキャラクターを多角的に描写できる。
    置かれた状況やタイミング次第で、人物の反応は変化します。この違いを描けると、キャラクターに深みが生まれるわけですが、本作ではこれを「死に戻り」の設定を活かして行っています。
    最も顕著なのが「前回の時間軸ではフレンドリーだったヒロインが、次の時間軸で主人公に辛辣な対応を取る」シーンです。これは二人の初対面での・・・・出会い方が異なったゆえに起こったわけですが、これによって「怒ることなんてなさそう」というイメージだったヒロインに「状況や相手次第ではきっちり怒る」という別の面が加えられています。
    こういった形でキャラクターを描ける点もこの設定の長所と言えそうです。

異世界物では設定をいくらでも増築していけますが、辺にツギハギするよりもワンアイデアを突き詰めて、それを活かしきることで作品にオリジナリティと深みを生み出すことができます。
『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』はその一つの好例と言えそうです。

③『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』に学ぶ「作品に合った主人公の造形」

世界観、キャラクター、ストーリー、設定、テーマ……。
これらのどれを起点にして話を作っていくかは、作家あるいは作品ごとにそれぞれです。
(もしかしたら、文体から考えるという猛者もいらっしゃるかもですが)

いずれにせよ、最初に決めた要素ありきで次を考えていくことになります。
状況次第で、前提を覆す必要も出てくることでしょう。

……ということを考えていくと、『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』はキャラクター、特に主人公の造形はけっこう後回しだったのかなと感じました。

というのも「死に戻り」という設定上、主人公は何度も死ぬことになるので、性格が暗いと精神を病んでどんどん鬱状態になっていきそうなものです。
それでは読者も読んでいて辛いはず。

しかしスバルは凄惨な死を迎えても、次の時間軸では明るく前向きな様子で事にあたっていきます。
それによって読者も、不要に暗い気持ちにならずに済んでいるはず。
つまり、スバルという主人公は『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』のストーリーや設定に、極めて適したキャラクターと言えます。

小説を書くにあたって重要とされる主人公の掘り下げも、本作では「ポジティブな性格の引きこもりが召喚された」以上にされていません。
スバルがどうしてこんなにもポジティブな性格なのか、過去は明かされないし(少なくとも1巻時点では)、スバルがストーリーを通して自分の問題を解決したり成長することもほぼありません。

あえてキャラクターを深掘りせず、設定やストーリーを活かすことに割り切っていることも本作の魅力だと感じました。

自作でどの要素を強調したくて、そのために他の要素をどう活用するか……。
そういったことを学ぶにも『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』は適していそうですね。

おわりに:シリアスなのに読み味最高な『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』。おすすめです。

この記事を書いている時点で『Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)』は、本編だけで30巻も刊行されています。
これだけ巻を重ねるのは並大抵の人気では不可能です。(短編や外伝を含めたらさらに増えますし……)

実際に拝読してみて、もともとWEB上で人気だったことを差し引いても、1巻時点ですでに凄みのある作品だと感じました。
これは人気も出るよな、といった感想です。

いち読者としても楽しめましたし、一人の作家としても大いに学ばせてもらいました。

未読の人はぜひ一度読んでみてくださいね!

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