enlog(1):才能なき作家はいかに学ぶか[2021/05/16]

  • 2021年5月16日
  • 2021年5月19日
  • enlog

第28回の電撃大賞に締め切りすれすれで応募してから、はや1ヶ月。

どうにも気の抜けた感じは否めませんが、この最近もぼちぼち活動しています。
新作小説を考えたり、読書したり、ブログの運営したり。

そんな中で、「作家は勉強も大事だな」とあらためて感じたこともあり、今回は僕の学習方針的なものを少し記しておこうと思います。

「書けば書くほど上手くなる」に足りない要素は何か?

「書けば書くほど上手くなる」

よく耳にする言葉ですよね。
僕はこれ、半分正解で半分誤りだと思うんです。

正確には「上達を意識して書けば、書くほどに上手くなる」かと。

確かに経験の蓄積は大切です。それは間違いない。
ただ、闇雲に量だけ書き続ければ良いのかというと、それは違うでしょう。

「小説を書くのが上手くなる」の構造は以下の感じと僕は考えます。

  1. 理想の作品を具体的に思い描く。
  2. 理想と現実の齟齬、つまり自作の欠点を把握する。
  3. 欠点を修正するための手段や技術を学ぶ。
  4. 実際に執筆していく中で、理想に近づけていく。

エラそうに並べてはみましたが、実はこれって誰もがやってることですよね。

しかし、実際に意識できているのが④だけの場合が多い印象。
①〜③は無意識にやってはいるけど、無意識ゆえに非効率になってしまいがちです。

単なる「書けば書くほど上手くなる」に個人差が出るのは、もちろん才能もありますが、それ以上にこの①〜③を意識的にできているかに寄りそうです。

①〜③を自覚的に行う工程をすっとばして、④だけを繰り返すのは非効率と言わざるを得ません。

執筆の経験を積む前提の条件として、①自分の理想を掲げ、②現状の欠点を把握し、③修正のための手段を勉強するという、3つの項目が必要なはずです。

3つの項目を満たすために必要なこと

  1. 自分の理想を掲げる
  2. 現状の欠点を把握する
  3. 修正のための手段を勉強する

これらを満たすために必要と僕が考えることを記します。

比較検討するという思考

人間はけっこう自分のことをわかっていません。
延いては、自分の作品の善し悪しを判断することも難しい。

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なので、外部の情報に頼ると良さげです。

自分が好きな作家さんの小説や、人気のある小説を読んで、自作とどう違うのか比較することで欠点をあぶり出せます。

また、面白くないと感じる小説を読むことも勉強になるはずです。
「なんとなく面白くない」で済ませてしまうのではなく、「なぜ面白くないのか?」と問いながら検討することで、新たな学びを得られますから。

自作ばかりに目を向けるのではなく、比較対象として他の作家さんの作品を読むことも大切ですね。

比較するための”物差し”を手に入れる

自作を他の作家さんの作品と比べることが大切。
でも、具体的に何をどう比較すればいいのか?

それを学ぶためにあるのが、教本だと思います。

ストーリーならストーリー、文章術なら文章術の教本を読めば理論を学べます。
そして、身につけた理論は、先ほど述べた比較検討の”物差し”になってくれるでしょう。

もし教本を読むなら同じジャンルのものを3冊以上、奇数冊読むのがおすすめです。

同じジャンルの本でも著者によって考え方は様々ですから、凝り固まった知識にならないよう、何冊も読む。
加えて、奇数冊用意しておくと何か疑問が生じたときに多数決ができるので便利です。

僕は教本を手当たり次第に読んでいますが、その中でもおすすめしたいものを以下の記事にまとめています。

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最近は、新たに以下の2冊を購入しました。
この著者の教本は以前にも読んでいますが、理論的かつ具体的でおすすめです。

今後も良さげな教本があれば、ご紹介していきますね。

おわりに

というわけで今回は僕が考える小説の学習方針をお話ししました。

簡単に言うと「理論を学んで、それを既存作品と自作に当てはめて比較検討する。その上でまた執筆する」といった感じですね。

少しでも参考になれば幸いです。

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