友達の数は多いほど良いと思われがちな世の中です。
しかしながら、はたして本当にそうなのでしょうか?
単刀直入に私の考えを述べますと、友達は必要ですが少なくて構わないと思います。
もう少し詳しく言うと、外向型が友達を増やしていくのは良いですが、内向型が友達の人数を気にする必要はありません。
(外向型と内向型についての説明はこちらの記事をご覧ください→『内向型と外向型の違い』)
と言うのも、外向型は広く浅い関係を好むのに対し、内向型は狭く深い関係を望むものなのです。
内向型が無理して友達を増やしたところで良いことはありません。むしろデメリットばかりです。
今回は内向型が多くの友達を持つことのデメリットと、内向型の友達作りについて考えていこうと思います。
内向型が多くの友達を持つことのデメリット
すぐに疲れてしまう
内向型の人は狭く深い関係を望み、そして1対1のコミュニケーションを好む傾向にあります。
これは内向型は外部からの刺激に敏感なことが原因のひとつです。
おしゃべりや喧騒といった刺激をエネルギーに変えてしまうのが外向型なのに対し、内向型はそういった刺激に触れるとすぐに消耗してしまうのです。
そして消耗した後は、ひとりでゆっくりと休憩しないと回復しないのも内向型の特徴です。
友達を多く持つということは、広く浅い関係を築いていくことと同義です。
これは内向型の人にとってはストレスにしか成り得ないのです。
”広く浅い関係”に満足できない
みなさんは「友達ってなんだろう?」と考え込んでしまったことはありませんか?
友達の定義について本気で悩んだことのある方こそ、友達は数より質で選ぶべきです。
内向型の人はものごとを深く深く考える性質にあります。
そういった人にとって”上っ面だけの関係”を友達と呼ぶことには抵抗があります。
”ほんとうの友達” が欲しいと悩む方は、友達の人数なんて気にしないで、自分にとっての友達とは何なのかをもっと追求していく方がはるかに有意義なはずです。
人生に無駄が増える
「友達」の話題で「無駄」という言葉を当てはめることに多少抵抗を感じますが、あえて明言します。
人数を気にしてつくっただけの友達は、私たち内向型の人生に無駄を生む存在でしかありません。
好きな事に没頭し、集中できることが内向型の強みのひとつです。
私たちのことを理解してくれていない”上っ面だけの友達”が増えれば、それは雑音になって私たちの大切な時間を奪っていくことになります。
SNSなどで中身のないやり取りをしたり、行きたくもない飲み会に参加させられたり……。
刺激に弱く疲れやすい私たちが、本来不要なコミュニケーションに振り回され、挙げ句に時間を浪費するのは本当にもったいないことだと思いませんか?
内向型の友達づくりのポイント
大前提として。友達は必要です
ここまで友達の人数を気にするのはナンセンスだとお話ししてきました。
しかし、だからといって「友達なんていなくていいじゃん」というわけではありません。
例え内向型であっても(信頼できる)友達は絶対に必要です。
その理由をいくつか挙げておこうと思います。
- そもそも人間は集団で生きるようにつくられています。誰かに貢献したり、お礼を言われることに幸福を感じるといった経験は誰にでもあるはずです。人間が幸せになるには他者との繋がりが必要不可欠なのです。
- 自分ひとりの価値観で生きるのは限界があります。友達の存在はあなたの世界を広げてくれるはずです。
- ひとりぼっちでいることは身体に良くない。寿命も縮める。といった論文も発表されており、やはり人間の体は、ずっと独りでいることに耐えられるようにはできていないようです。
お互いを尊重できる友達を大切にしましょう
大事なことはお互いを知り、尊重し合える友達を持つことです。
もしかしたら内向型と気が合うのは内向型と思っている方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
たとえ相手が生粋の外向型であったとしても、その人があなたの内向型な面を理解してくれるのであれば親友にだってなることができます。
内向型の人が、外向型の友達と上手く付き合っていこうと考えるのでしたら、相手(外向型の友達)に内向型の特徴を伝えてみてください。
- 自分はあなたと一緒に出かけたりするのが好きだけど、ずっと騒がしい所にいると疲れてしまう。そういうときは、静かなところで一休みする必要がある。
- 自分はいろいろ考えすぎることがあって、返って上手く意志を伝えられないことがある。
- 直接会話したり、電話したりするよりもメールなどでゆったりコミュニケーションを取りたい気分のときもある。
こういったことを理解してくれる相手であれば、良好な関係を築けるはずです。
また、逆もしかりです。あなたも外向型の友達と接するときは、相手のことを理解するよう努めてください。
- 外向型は外部からエネルギーを補給するため、ずっと刺激のない環境にいると不満を感じてしまいます。
- 外向型は刺激を求め、即行動に移したり、賑やかな場所に身を置こうとしたりするものです。
- 外向型は相手の話を聞くよりも、自分で話すことを好みます。
内向型も外向型も、互いに無い特徴を持っています。
静かな場所が好きな者同士でまったり過ごすのも良いですが、外向型の友達と新たな体験を求めて活動してみるのも良いものです。(内向型はエネルギーが長続きしないというだけで、新たな体験を嫌うわけではありません)
いずれにせよ、大事なことはお互いを想いやれる関係にあることです。
そして、そういった深い繋がりの友達はおいそれと出来るものではありません。
だからこそ、友達の人数なんて気にせず、数人で構わないのでほんとうの友達をつくることを考えてみてください。
おわりに
近年、SNSが普及したことによって、ますます友達の人数は多い方が良いという価値観が浸透してきています。
しかし、内向型の人にとってそれは苦痛でしかないのです。
今回お話したように、内向型の人にはもっと友達の質にこだわって頂きたいと思います。
内向型の割合は2、3人に1人と言われています。
もしかしたらあなたも、気付いていないだけで”多くの友達を求められる環境” にストレスを感じているかもしれません。
今一度、じっくり自分を見つめかえしてみてはいかがでしょうか?