「孤独な人」は寂しくてかわいそう? 内向型こそ孤独を愛しましょう。

「孤独」という単語を聞いてみなさんはどのような印象を抱くでしょうか?

ひとりぼっち。寂しい。友達がいない。コミュニケーションが苦手。
挙げ出せばきりがありませんが、マイナスなイメージのものが大半であると思います。

当ブログではこれまで何度か、内向型と外向型についてお話ししてきました。

内向型と外向型の特徴から考えると、一般的に内向型の人は孤独を欲し、外向型の人は孤独を嫌う傾向にあるはずです。

内向型の人の割合は2、3人に1人と言われています。
この2、3人に1人という数字はアメリカでの調査結果ですので、日本人の気質から考えると、私たちのまわりにはもっと多くの内向型の人がいるはずです。(自分が内向型か外向型か知りたい方はこちらの記事を参考にして下さい)

世間には内向型の人が多くいる。そして内向型は孤独を欲している。
なのに、私たちが過ごす今の社会では「孤独は悪いもの」という偏見が横行しているのです。

これは、外向型の方が優れているという誤った認識が定着してしまい、内向型が社会不適合者の烙印を押されてしまっていることが原因です。
誰だって自分が劣った存在だと思われるの嫌です。だから、ほんとうはひとりでいる時間が好きなのに、集団でいなければという強迫観念に襲われたり、自分も気付かないうちに孤独を避けてしまたったりといった人が出ててくるのです。

はたして「孤独」は本当に悪いものなのでしょうか。
断言します。決してそんなことはありません。
私たち内向型にとって孤独は不可欠なものなのです。

今回は、内向型にとって、孤独でいる時間がいかに重要であるかお話しようと思います。

参考書:スーザン・ケイン[著]、古草秀子[訳]2015『内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える』講談社+α文庫

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孤独が「集中的実践」を可能にする

学生バイオリニストを対象にした実験

手っ取り早く孤独の利点を知って頂ける研究がありますので、ご紹介します。

これは心理学者アンダース・エリクソン氏が同僚と行った実験です。

実験はベルリン音楽アカデミーの教授の協力の下で行われ、実験の対象となったのはバイオリン専攻の学生たちです。
まず学生たちを3つのグループに分け、そして各グループの時間の使い方を調査したんだそう。

3つのグループは以下の通りです。

  1. 将来世界的なソリストになれるほどの実力をもつ学生たち。
  2. 「すぐれている」という評価にとどまる学生たち。
  3. 演奏者にはなれず、バイオリン教師をめざす学生たち。

要するに優れた才能を発揮する人はどのような時間を過ごしているかを調べたわけですね。

気になる結果は以下のようになりました。

  • 音楽関連の活動に使った時間は全てのグループが同じ。(週に50時間以上)
  • 課題の練習にかける時間もほぼ同じ。
  • 1と2のグループは大半の時間を個人練習に充てた。(週に24.3時間程度)
  • 3のグループでは個人練習の時間が少なかった。(週に9.3時間程度)

1のグループの学生は、個人練習こそ最も重要な活動と評したそうです。

すぐれた音楽家たちは——たとえ集団で演奏する者であっても——個人練習が本当の練習であり、集団でのセッションは「楽しみ」だと表現する。

『内向型人間のすごい力』129ページより

個人練習、つまり孤独に時間を過ごした人ほど才能を開花させることができたのです。

「集中的実践」の恩恵

学生バイオリニストの実験を読んで、「それは楽器の場合だけに言えることでは?」と思った方もいるかもしれません。

しかしエリクソン氏は他の分野についても同様の結果となることを発見したそうで、対人競技であるチェスや、その他のチームスポーツにおいても、結果を残す人ほど途方もない時間を個人練習に費やしていたんだそう。

どうして孤独に時間を過ごすことで、このようなことが起こるのでしょうか?
その鍵となるのが「集中的実践」と呼ばれるものです。

エリクソン氏によると、

なにかに集中して練習しているときは、より高い知識を身につけたり、パフォーマンスを向上させたり、自分の進捗状況を検討して軌道修正したりすることが可能になる。こうした水準に達しない練習は無益なだけでなく、逆効果を招きかねない。向上をもたらすどころか、現状の認知メカニズムを強化してしまうのだ。

『内向型人間のすごい力』130ページより

とのことです。

私たちがある分野において成長するためには高い集中力が必要となります。
そしてそういった集中力は集団の中にいては発揮できないのです。

集中力を発揮するためには外部からの邪魔の入らない孤独が最適です。
加えて、ほんとうに自分のやりたいことに取り組まなければなりません。

もっとも重要なのは、あなた個人にとって非常にやりがいを感じさせる事柄に取り組まなければならない、という点だ。ひとりでいるときにだけ、あなたは「自分にとってやりがいのある事柄に、まともに向き合える。自分の技術や能力を向上させたければ、自発的でなければならない。グループ学習を考えてください——あなたは集団のなかのひとりでしかありません」とエリクソンは語った。

『内向型人間のすごい力』130ページより

ひとりで過ごすことを好み、さらには深く深く思考する傾向のある内向型は、まさに「集中的実践」に向いていると言えます。

内向型の人はこんな潜在能力を秘めているのに、まわりの目を気にして、好きでもない集団に属するのはもったいないと思いませんか?

内向的な人ほどもっと孤独を愛しましょう。
あなた自身が孤独を嫌っていないのであれば、孤独はきっと何にも勝る味方になってくれるはずです。

おわりに

ということで、今回は孤独でいることは悪いことじゃない。むしろ素晴らしいことだ、というお話をさせて頂きました。

孤独に悩んでいる方に対して、「孤独は能力開花に必要だから歓迎すべきだよ」という回答はもしかしたらズレているのかもしれません。
しかし、孤独に悩んでいる方には今一度しっかり自分を見つめ直してもらいたいのです。

あなたは本当に孤独が嫌いなのですか?
世間が「ひとりはいけないことだ」と口をそろえるものだから、無意識に嫌ってしまっているだけではないですか?
あなたは本当は孤独を愛すことのできる人なのではないですか?

この記事が、みなさんが真に孤独と向き合うための一助となれば幸いです。

……と言っておいてなんですが、私は何も内向型はずっと孤独でいろと言っているわけではありません。
内向型の人間にだって他者との繋がりは必要です。
むしろ、狭く深い関係を望む内向型には、しっかしとした人間関係を築くことも重要です。

私が、孤独を大事にしましょうと提案するのは、そういう時間を持つことも大事だよという意味合いでしかありません。

というわけで、次の記事では内向型の人間関係について考えていこうと思っています。
また読んで頂けると嬉しいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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