ご観覧ありがとうございます。
葛史エンです。
プロ志望で、日々小説の書き方を学んでいますが、経験則として初心者のうちから詳しい知識を詰め込むことはオススメできません。
『習うより慣れよ』
更にもう一歩踏み込んで。
『慣れつつ習え』
これが最善策です。
小説の書き方を体系的に知りたい方は以下の記事も参考いただけます▼
小説の書き方は十人十色です。 だから「これさえ読んでおけばOK!」なんていう教本や記事はありません。 それでも僕がこの記事を書くのは、僕が日々積み上げている研鑽が、ほんの少しでも誰かの役に立てばと願ってのことです。 僕はこれま[…]
小説の書き方が初心者に不要な理由
大きく2つあります。
知識は使ってこそ”血肉”になるもの
小説の書き方という”知識”をひたすら詰め込んでも、いざ書こうと思うと上手くいかないものです。
例えば、子供のころ自転車に乗る練習をしましたよね?
あのとき、「これは慣性の法則が……」とか「ジャイロ効果を活用せねば」などと考えた人はいませんよね。(もしいらっしゃったら申し訳ありませんが)
おそらく「視線を遠くに」とか「ペダルを漕ぐ足を止めない」といったアドバイスを受け、それでも上手くいかずに何度も練習して乗れるようになったことと思います。
小説における知識(書き方)もこれと同様で、難しい理論を頭に詰め込むよりも、自分に合った知識を実際に使いながら”血肉”にしていく必要があります。
なので、初心者のうちは難解な小説の書き方を学ぶより、実際に書きながら当面必要となる自力を育んでいくのがベストです。
”自分ゴト”でない知識の価値は薄い
初心者がいきなり専門的な書き方を学んでも「なるほど! そうなのか……!」というその場限りの満足で終わってしまいます。
何故なら、人間は自分に関わること以外の知識は定着しにくいから。
例えば、学校で退屈な授業を受けていたとしましょう。
とくに興味のない授業なら、誰だって退屈してしまいますよね。
でもここで、「ここはテストに出るぞ!」と先生が一言発すればその場の全員が一斉に集中状態になるはずです。
これは「自分には関係なかった授業内容」が、「テストで点を取るために必要」という自分ゴトになり、覚えておく必然性に駆られたからです。
小説の書き方を学ぶのもこれと同じです。
必然性に駆られ、自分ゴトとなった状態で学びましょう。
小説を書いていると必ず疑問点が出てきますし、もっと良くする方法はないかといった思考も湧いてきます。
そんなときこそ小説の書き方を学ぶ最大のチャンスです。
知識の吸収力が増した状態で効果的に成長しましょう。
というか小説、書いてみたいですよね?
・知識は使ってこそ”血肉”になる
・”自分ゴト”でない知識の価値は薄い
まあ、それっぽいことを書いてみましたが、何より初心者のみなさん、早く小説を書いてみたくないですか?
小説を書くのは楽しいですよ。
自分の世界や考えを表現したり、それを誰かに読んで貰えたり。
読者に感想が貰えたときの喜びは格別です。
もちろん書くことの苦しみもありますが、それを補って余りある喜びが待っています。
小説の書き方を学ぶ機会はこの先いくらでも訪れますので、今はとにかく自分の作品を書き出してみて下さい!
とはいえ、初心者が押さえておくべき小説の書き方が4つある
盛大に煽った後で恐縮ですが、初心者に小説の書き方は不要とはいえ、最低限これだけは押さえて欲しいことが4つ程あるので解説していきますね。
あまり難しく考えず、まずは気楽に考えてみて、あとは書きながら軌道修正していけば全然OKです。
その①:何を書きたいか?
書きたいものを書くことが、モチベーションを保つ意味でも最善です。
- 好きなジャンルで書く。
- 好きな作家さんのような作品を書きたい。
- 書きたいストーリーがある。
- 魅力的なキャラ案があるから主人公に据えてみる。
- 面白い世界観の設定があるので活かしたい。
上記のように単純なもので大丈夫です。
書き続けていれば、書きたい作品はどんどん移り変わっていくはずなので、その時々で書きたい作品を書きましょう!
その②:キャラ、ストーリー、設定を考える。
キャラ、ストーリー、設定はある程度考えておきます。
ただし、ここを追求すると果てがないので、初心者のうちは最低限以下の感じで始めてしまいます。
キャラ
- 人数を増やすと書くのが難しくなるので主要人物は2人〜5人くらいにする。
- 一人称(自分を何と呼ぶか)、二人称(他のキャラを何と呼ぶか)を決める。
- 過去を設定する。そのキャラの人格形成に影響を与えた一番の出来事、育った環境や家族構成などを決めておくと、キャラの輪郭が見えてくるはずです。
- あなたの小説における役割を決める。主人公なら「何を成し遂げるか」「どんな人物へ成長していくのか」、他のキャラなら「主人公にどう関わっていくのか」「ストーリー上で何か重要な役目を果たすのか」といった感じです。
ストーリー
自分が書くストーリーを端的に、言い表しておきましょう。
下記は僕が過去にツイートしたものです。
書く小説に一貫性を持たせたいなら、予めその小説を一文で言い表しておくと良いです。
『人以外の生物が明確に善悪の特性を持つ世界で、人でありながら悪に生まれた少年と出会った主人公が、彼を殺すべきか悩みながらも生かすことを選ぶ』
↑僕の過去作ですが、こんな感じ。つづきます
— 葛史エン📚分析型ノベリスト (@en_kuzumi) April 21, 2020
書く小説に一貫性を持たせたいなら、予めその小説を一文で言い表しておくと良いです。
『人以外の生物が明確に善悪の特性を持つ世界で、人でありながら悪に生まれた少年と出会った主人公が、彼を殺すべきか悩みながらも生かすことを選ぶ』
↑僕の過去作ですが、こんな感じ。
このように、予めストーリーの全貌を把握しておくと、話が脱線したり、物語が破綻したりといった事態を避けられます。
設定
キャラや世界観に関する設定は予め書き出しておきましょう。
簡単でも構わないのでこれをしておかないと、設定同士が矛盾してしまったり、物語に説得力のない小説になってしまいがちです。
その③:プロットをつくる。
プロットは「小説の設計図」と思って下さい。
どんな順番でストーリーを書いていくのかを一覧にまとめます。
書き方は人それぞれですが、箇条書きが一般的かつ分かりやすいので、まずは箇条書きを試してみて下さい。
そして肝心の内容ですが、初心者のうちは「起承転結」を用いた書き方が分かりやすくてオススメです。
起:小説開始時の現状(主人公の生活環境や思考回路、世界観など)
承:物語を動かす事件が起こる
転:ラスト(事件解決)に向かう山場
結:事件解決後の姿(主人公たちが事件を通してどう変わったか)
例として『桃太郎』を当てはめてみます。
起:桃から生まれた桃太郎がすくすくと育つ。
承:鬼が暴れていると知り、仲間を集めて退治に向かう。
転:鬼ヶ島にて鬼と対決し、退治に成功する。
結:金銀財宝を取り返し、平和な世界へと帰還する。
こんな感じで起承転結で、まずは骨組みを設けます。
あとはそれに肉付けしていく作業です。
起:桃から生まれた桃太郎がすくすくと育つ。
・おじいさんが芝刈りに、おばあさんが洗濯に行く。
・川から大きな桃が流れてくる。
・桃を持ち帰ったおばあさんが切ると、中から桃太郎が生まれる。
・おじいさんとおばあさんの元で、すくすくと成長する。
承:鬼が暴れていると知り、仲間を集めて退治に向かう。
・鬼が暴れて困っている人が大勢いると知る桃太郎。
・鬼退治に出かけることを決意。(正義感によるもの)
以下省略…
どれだけ詳しく書くかはそれぞれ。
設定や心情も書き込んで丁寧に書く人もいれば、起承転結くらい大雑把なくくりでしか決めない人もいます。
上記の例にある”(正義感によるもの)”は心情描写のメモで、僕はこんな感じで心情や設定なども書き込むようにしています。
中にはプロットなしで書いてしまう猛者もいますが、初心者のうちは簡単なもので構わないので、ぜひプロットを作ってから執筆に取りかかって下さい。
その④:一人称と三人称、どちらで書くか?
文章は書きながら覚えていくしかありませんが、「一人称」と「三人称」どちらの形で書くかだけは最低限決めておきましょう。
一人称
⇒「私」「俺」「僕」といったように、”主人公の視点、主人公の語り”で文章を書いていく。
三人称
⇒「キャラ名」「彼」「彼女」といったように、”第三者の視点”で文章を書いていく。
基本的に、同一作品内で一人称・三人称は混ぜられませんので、最初に決めたら最後まで同じように書いていって下さい。
また、小説の文章には最低限のルールも存在するので、それも確認しておくと良いですね。
以下は僕が書いた記事ですが、初心者向けのルールを例を挙げつつ解説しているので、執筆を始める前には一度確認してみて下さい。
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完璧を目指さない。小説の書き方を学びながら書く。
いかがだったでしょうか?
小説を書き始めるのはけっこう簡単です。
ただし、追求していくと本当に果てはありません。
今回ご紹介した内容は、厳選した最低限の書き方です。
なので、いざ書き始めてみると必ずどこかで行き詰まります。
そんなときは、その都度調べながら少しずつでも書き進めていって下さい!
いきなり完璧を目指さない。
行き詰まったときに書き方を学ぶ。
『慣れつつ習え』
そんなスタンスで、小説創作をぜひ楽しんで下さいね^^
小説の書き方を体系的に知りたい方は以下の記事も参考いただけます▼
小説の書き方は十人十色です。 だから「これさえ読んでおけばOK!」なんていう教本や記事はありません。 それでも僕がこの記事を書くのは、僕が日々積み上げている研鑽が、ほんの少しでも誰かの役に立てばと願ってのことです。 僕はこれま[…]