句読点の付け方。考え方・基本・応用に分けて解説します。

文章を書くのに欠かせないのが句読点です。
句読点とは「句点」と「読点(とうてん)」の総称であり、混合してしまいがちですが、句点がマル「。」で、読点がテン「、」を指します。

句点「。」については定義が明確ですので、付け方に迷ったことがあるという方は少ないはずです。
(句点はひとつの文章が完結したことを示すためのもの)

一方、読点「、」の付けがよくわからないという方は多いのではないでしょうか?
それもそのはず、読点の付け方には明確な定義がありません。

しかし、読点を上手く活用できないと文意が誤って伝わってしまったり、読んだ人に文章下手という印象を与えてしまったりします。
いかに素晴らしい内容の文章であっても、読点の付け方がまずいと相手への心証は悪くなってしまうものなのです。

読点の付け方で損することのないよう、今回はその根本的な考え方や基本に始まり、より文章を魅力的にするための読点の付け方もご紹介していこうと思います。

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読点の付け方。その極意とは?

冒頭でお話ししたように、読点の付け方には明確な決まりがありません。

だからといって、何も考えずに感覚だけで付けていればいいというものでもありません。
こういう場合にこう付ける、ということを羅列することはできますし、現に今回も場面ごとに読点の付け方を解説していくことにはなります。

しかし、すべてのパターンを覚えることは困難ですし、なにより小手先の使い方では読点の役割を見失ってしまうものです。

読点の役割。単純ですが、これを理解しておくことこそ”読点の付け方の極意” です。

読点の役割は2段階あります。

  • 文意を正確に伝えること。
  • より分かりやすく、より伝わりやすくすること。

大前提として正確に伝える。その上で、より分かりやすく伝わりやすいようにする。
常にこの意識でいれば、上手く読点を付けることができるはずです。

「読点を付ける候補」は”文節”で考えよう

まずは読点を付ける候補となる場所を知っておかねばなりません。
といっても難しいことはなくて、文節で考えればよいのです。

文節とは文章を意味の取れる範囲で細かく分けたものです。文節を考える場合は、音読しながら「〜ね」と付けられる箇所で区切っていくと分かりやすいです。
(文末は「〜よ」とすると自然です)

例文で見ていきましょう。

例文:文節で区切ってみよう早朝の公園を散歩していてすれ違った人と挨拶を交わしてあたたかな気持ちになった。

この例文を文節で区切ると、

文節は「〜ね」で区切る早朝の|公園を|散歩して|いて|すれ違った|人と|挨拶を|交わして|あたたかな|気持ちに|なった

となります。

このように区切った場所が読点を付ける候補となります。

文節は読点を付ける候補早朝の、公園を、散歩して、いて、すれ違った、人と、挨拶を、交わして、あたたかな、気持ちに、なった。

当然すべての場所に読点を付けてしまうと、返って読みにくくリズムの悪い文章になってしまいます。
しかし、文節を意識すれば少なくとも誤った読点の付け方をしないで済むのです。

1.1番大事なのは正しく伝えること

最も気をつけねばならないのは、自分の意図することと異なった解釈を読み手にされてしまうことです。

次の例文を見てください。

例文母親は熱心に砂場で遊ぶ我が子を眺めている。

この文章を読んで、どのような場面を脳裏に浮かべたでしょうか?
お気づきの方もいるかもしれませんが、この文章では2通りの意味を読み取ることができます。

ひとつは、砂場で遊ぶ子供を母親が熱心に眺めている場面。
もうひとつが、熱心に遊ぶ子供を母親が眺めている場面。

読点を適切に付けないと、例文のように読み手によって受け取り方が変わってしまいます。
読者に「あれ、どちらの意味なんだろう?」と迷わせないことが肝心です。

例文のような場合は以下のように読点をつけ、誤解を生まない文章を心掛けてください。

読点を適切に付けて誤解釈を避ける母親は熱心に、砂場で遊ぶ我が子を眺めている。(熱心なのは母親)

母親は、熱心に砂場で遊ぶ我が子を眺めている。(熱心なのは我が子)

2.読点を付ける場所「4つの基本」

読点を付ける場所は細かく挙げだしたらキリがありません。

ですので今回は、最も基本となる場所を4つに絞ってご紹介しようと思います。

読点を付ける「4つの基本場所」

  1. 長くなった主語の後
  2. 述語と離れている主語の後
  3. 接続詞の後
  4. 接続助詞の後

1.長くなった主語の後

主語が長くなった場合、読者はどこまでが主語なのかを考えながら文を読むことにストレスを感じてしまいます
それを防ぐためにも、長くなった主語の後ろに読点を付けてあげましょう。

例文毎日努力を重ねることは、あなたをより良い未来へと導いてくれる。

2.述語と離れている主語の後

述語とは主語の動作や状況を表す部分のことです。

主語と述語が離れていると文意が読み取りにくくなるため、読点を付けることで見やすくしましょう。

主語と述語を見つけやすくする

私は、あなたと出会って同じ時間を過ごしたことで大きく成長した

POINT主語と述語が離れすぎてしまって読みにくい文章になったり、あるいは日本語として破綻してしまったりというのは文章の苦手な人にはありがちなものです。
そのような場合、今回のように読点を用いるのも手ですが、特別な意図がない限りは主語と述語を近くに置いておくのが無難です。
例えば上記の例文では、次のように書くのもひとつの手段となります。
私は、あなたと出会って同じ時間を過ごしたことで大きく成長した

あなたと出会って同じ時間を過ごしたことで私は大きく成長した

3.接続詞の後

接続詞の例しかし また そして 一方

これらのような接続詞の後にも読点を付けます。
接続詞は前の文と、次に来る文がどういう関係にあるかを示すため、読点で区切って見分けやすくしておくと読み手は文意を読み取りやすくなります

しかし、これは必ず付けなければいけないものではありません。
↑このように、私は基本的に付けるようにしていますが、文章のリズムなども考えて不要と思えば付けなくても問題ありません。

4.接続助詞の後

接続助詞とは、文のつなぎとなって前後の意味を関係させるものです。
難しく考える必要はなく、次のようなものだと覚えておいて、その後ろに読点を付けることを意識してみてください。

接続助詞の例〜ので 〜のに 〜から 〜ば 〜けれど 〜で

とはいえ多用しすぎてもクドい印象を読み手に与えてしまうので、そのあたりのバランスは自分で探っていくしかありませんね。

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3.読点の付け方「応用編」

何度も繰り返して申し訳ありませんが、文章の基本は正しく伝えることです。
そのためには「4つの基本場所」を意識して読点を付けることが、ひとつ重要となります。

しかし、読点を付けることに慣れてきて、もう一段上を目指したいと考えた場合には、より効果的に読点を活用する方法もあるのでご紹介していこうと思います。

根本的な考え方は、読点は文章全体の見た目を左右することと、読み進める際のリズムや息継ぎに作用することを理解しておくことです。

媒体となるジャンルにもよりますが、文章の読み方には2通りあります。
一つは必要な情報を入手するための読み方
もう一つが端から端へすべて目を通す読み方

情報を入手するための文章としては、ビジネス文書や情報伝達のための文章が挙げられます。
娯楽としてではなく、調べ物として読まれる場合のブログもこちらに属すことになりますね。

このような文章の場合、読み手が求めているのは全文を読むことではなく情報を仕入れることです。
ですので、飛ばし読みを前提と考え、伝えたい情報を目立たせる必要があります
もっと言えば、文章全体を眺めたときに読み手の求めている情報が飛び込んでくるのがベストです。

一方、読み通すタイプの文章としては小説などが挙げられます。
小説などの場合は文章全体の見た目より、読み手の好奇心を誘ったり、感情を揺さぶったりといった表現としての文章が求められるわけです。

もちろん上記のような文章の完成度を高めていくには、様々な要素を組み合わせていく必要がありますが、読点の付け方を意識することもその一端となります。
今回は思いつく限り例を挙げていこうと思います。

日時やキーワードなど重要な情報の前

読み手へ伝えたい情報の前に読点を付けることで、その情報を目立たせることができます。

例文

  • 明日の部活は、午前8時に集合と決まった。
  • スティーブ・ジョブズが”伝説のスピーチ” で残した言葉に、『Stay hungry, Stay foolish』というものがある。

読点を付けて語句を並列する

読点を使って語句を並べることで端的にわかりやすく、更には視覚的にも見やすく表現することができます。

例文虹の色は、赤、オレンジ、黄色、緑、水色、青、紫の7色だ。

感動詞の後

感動詞の例ああ やあ はい いいえ もしもし うん まあ

感動詞を用いることで、より親近感のある文章を書くことができます。
感動詞の後には読点を付けるのが一般的です。

例文

  • やあ、いい天気だね。
  • まあ、きっと大丈夫でしょう。

読点を付けて倒置表現する

倒置法という表現があります。
これは文の成分を本来とは異なった順番で並べる方法なのですが、この場合も読点を用いることができます。

例文例文もうここに戻ることはないと悟っていたから振り返らないよう必死だった。

振り返らないよう必死だった、もうここに戻ることはないと悟っていたから。

例文では、本来理由→動作という順番が、倒置表現によって動作→理由という順に変わっています。
先に動作を提示することで、読み手に「どうして?」という感情を想起させられます。

リズムを生むための読点

のっぺりとした文章よりも、適度に読点で区切ったリズムのよい文章が好まれるのは必然です。
実際に音読してみて、息継ぎなども意識しながら読点を付けてみてください。

私の好きな小説から一例を挙げてみたいと思います。

何の前触れもなしにその場に集う者たちが二つに割れた。誰が指示したのでもない。その、やって来る者と、湖との最短距離に、一本の道が、群衆によって形づくられていた。

冲方丁『ばいばい、アースⅠ』角川文庫

例文そのやって来る者と湖との最短距離に一本の道が群衆によって形づくられていた。(読点なし)

その、やって来る者と、湖との最短距離に、一本の道が、群衆によって形づくられていた。(原文)

例文では読点がなくても難なく読むことができますが、その場合間延びした印象を抱くのではないでしょうか?
一見すると読点過多に思える原文の方が、「群衆による一本の道」という光景がありありと浮かびます。

おわりに

今回は句読点の付け方(ほとんど読点のみですが)についてお話ししました。

句点も読点も文章を構成する上では不可欠なものです。

とりわけ読点に関しては明確なルールがないために、適切に用いるのが難しいと思われがちです。
しかしながら根底にあるのは、いかに読み手に上手く伝えるかということです。

読み手への配慮を常に忘れず、今回ご紹介したことを参考にしていただければ、より素晴らしい文章を書くことができるはずです。
この記事がみなさんのお役に立てることを願っております。

それではここまで読んでいただき、ほんとうにありがとうございました!

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